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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十三) どこまで事実を話すべきか 

2015年06月03日 外部ブログ記事
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昼過ぎに、彼の元に佐知子が訪ねてきた。
小夜子は露骨に不機嫌になった。
早苗もまた、仏頂面を見せた。

苦笑いをしながら、彼は「ちょっと、出かけてくる」と、早々に家を出た。
少し離れた場所で、高木が待っていた。
軽く手を上げる彼に、「済まんな」と、短く応える高木だった。

「ごめんね、ミタライ君。歓迎されないことは分かってたけど、どうしても。真理子のことが、心配で」
「いいんだよ、いいんだ。ボクも、気になるし」

彼はどこまで事実を話すべきか、迷っていた。
真理子の母親には、嘘をついてしまった。
この二人には全てを話すべきか、それとも黙っているか、考えあぐねた。

道々、互いに無言のまま歩いた。
誰に聞かれるとも分からぬ道中だった。
すれ違う人に会釈を交わしながらも、お互い口を開くことはなかった。

のどかな時間が流れている故郷だったが、重苦しい空気の流れが彼を容赦なく責め立てていた。
春に訪れたのが、もう随分前のことのように思われた。
“どうしてこんな事になった? あの夜、真理子と結ばれたのが間違いだったのか? 
アパートに来た時、どうして気が付かなかった?”

悔やんでも悔やみきれない思いで一杯だった。
真理子に対する恨み心も浮かんだが、自責の念が強かった。
「俺の家で、いいかい?」
高木の言葉は柔らかいものだったが、有無を言わせぬ雰囲気があった。
勿論彼に、異論があるわけがない。
「ああ、勿論だよ。その方がありがたい」

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