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「秘密の花園」の絵本 

2015年06月02日 ナビトモブログ記事
テーマ:思い出すままに

「秘密の花園」という話が、子供のころ好きだった。

同じバーネットの作品である「小公子」や「小公女」に比べて、どこか謎めいたストーリーと、ヒースに覆われた荒地のヨークシャー、という背景も魅力的だった。

小学校低学年の頃、「少年少女世界文学全集」か何かで読んだ「秘密の花園」


母親があまり本好きではない実務的な人だったせいか、我が家には子供向きの本が多くはなかった。

父の本は沢山積み上げられていたけれど、子育てはやはり身近な母親の影響が強いからか、それらは叔父のお土産だったり、祖母が買ってくれたり・・。

でも、今から思えば少ない本だったからこそ、繰り返し読み込んで、全ての文章が、すぐに探し当てられる位に刻み込まれたのだろう。


そして、「秘密の花園」にしても、「アンクルトムの小屋」にしても、文章に加えて挿絵もはっきり記憶に残っている。


時が流れて、カナダで子育てをしていた頃。

子供の通う図書館で、「The Secret Garden」という絵本を見つけた。

そして、其処に描かれていた10数枚の絵は、私の記憶に残るいくつかの挿絵とは、まさに似て非なるもの、と思わせるほどの衝撃で、私の心を捉えたのだった。


昭和20年代に読んだ本はきっと、挿絵を描いた人にとっても英国の荘園等、遠い世界だったのではないだろうか・・。

まず、建物や部屋の大きさ、そこに並ぶ家具の荘重さ、そして広大な敷地に生い茂っている植物。

それは、いくら西洋思考が強くても、小さな子供には到底想像しえない、英国領主の住む館であった。

今ならば、クリスティの映画やテレビ番組を持ち出すまでもなく、簡単に想像を膨らませる事ができるだろうけれど。


昔、子供ながらに、人々から忘れられている「秘密の花園」という存在が、実に不思議であった。

挿絵には、花園の内側しか描かれておらず、高い塀に囲まれているらしいその花園の外回りは、一体どうなっているのだろう・・。

カナダで出会った絵本も、その辺の疑問を解いてはくれなかったけれど、英国の荘園の格式ともいうべきものは、想像がついた。


そして今日、フランシス・コッポラの映画を、DVDで見た。

地平線まで広がっていそうな、ヨークシャーの荒地では、どうやら花園の一つや二つ、人々から忘れ去られたところで、たいして不思議でもなさそうであった。


でもそれは、国土の狭い日本の都会で生まれ育った子供の尺度で理解するのは、なかなか難しい問題である。



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夢は

シシーマニアさん

SOYOKAZEさん、おほようございます。

そうですか。今お住まいのお庭は「秘密の花園」が背景にあるのですね。人生が予想通りに流れていかないのは、悲しい事ですが、でも、お二人の夢が込められたお庭はきっと、SOYOKAZEさんをいやしてくれているのでしょうね。
私もかつて、家を建てる計画をした時に、グリーンゲイブルズが頭にありました。結局当地に転居してきて、人生が大きく変わりましたけれど。

2015/06/03 10:23:54

大好きでした

さん

おはようございます。

「秘密の花園」は大好きでした。
一応、お芝居の台本(脚色)もしてみましたが、部員に、似合いのキャラクターが居なくて、上演できず、残念でした。(中学生の頃の話しです)

この家を建てた時は、庭は「秘密の花園」みたいにしたいと思ったのですが、夫と二人で手入れするのは、喜び。
一人では負担になったのが悲しいです。

久しぶりに、愛読書の名前を聞いて、少女時代が蘇りました。

2015/06/03 09:56:07

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