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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十三) どうして、僕なの? 

2015年05月24日 外部ブログ記事
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「でも。それがどうして、僕なの?」
「タケくん。この間帰省した時に、真理子ちゃんと‥‥」
一瞬、彼は蒼ざめた。
「良いのよ、この事は誰も知らないから。
そんな事で、責任を取る必要はないの。合意の上でのことでしょ?」
「いやっ、あれは。彼女の方から」
「いいの、いいのよ。でもね、この事は黙っているのよ。
誰にも、言っちゃだめ。良いわね、絶対口外しないこと」
語気鋭く、彼に詰め寄る母親だった。
その形相は、ついぞ見たことのない表情だった。
あまりの剣幕に、たじろぐ彼だった。

「真理子ちゃんがあなたに好意を寄せていたことは、みんな知っているの。
だから、あなたと一緒に居るものだと皆が皆、疑っていないの。
そうなの、タケくんの所じゃなかったの。良かった。
早苗ちゃん、泣き通しだったのよ。
早速、知らせてあげなくちゃね。
そうなの、良かったわ。ホントに、良かったわ」

ほっとした表情を見せる母親に、一瞬ではあったが彼は嫌悪感を感じた。
彼を案じてのことだとは分かるのだが、彼の気持ちの中にわだかまりが生まれた。
未だ二十歳そこそこの女性が、行方不明なのだ。
心配すべきではないのか、他人の痛みが分からないのか。

「おばさーん。お兄ちゃん、帰って来たのー」
バタバタと、早苗が走り込んできた。
満面に笑みを浮かべた早苗は、彼を見るなり大粒の涙を流した。
「ひとりい? ホントに、ひとりい?」
泣きじゃくりながら、彼にしがみついてきた。
「おいおい、何だよ。泣くことはないだろうが」
「だって、だって」
「大丈夫、大丈夫よ。真理子ちゃんは、居なかったのよ」

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