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「画家マティス」というオペラ 

2015年05月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:シニアライフ

昨日、久々に教会へ行った。

いつもながら、牧師さんのお説教を聞くのが目的である。

昨日は子供達との合同集会だった為「神の、小羊」というテーマで、スライドで宗教画を見せていらした。

それが、イーゼンハイム美術館にある、グリューネヴァルトの「祭壇画」であった。


数十年前、私はヒンデミットの三番のソナタを中心にしたプログラムで、リサイタルをした事がある。

丁度恩師が日本に滞在中で、毎週レッスンを受けていた頃だった。


先生は、いい曲を思いついたよ、という感じで、「ヒンデミットのソナタ三番が、君に合うと思うから、是非やってごらん」とアドバイスして下さったのだ。


ハンガリー出身の先生は若い時に、世界的なピアニストであるエドゥイン・フィッシャーに見出され、ベルリン音楽大学のフィッシャー教授の教室で学ばれている。

その当時、ヒンデミットの作曲の授業も受けていたのだそうだ。


その頃の私の中では、ヒンデミットという名は、作曲家と言うよりは、「音楽家の基礎練習」という教材を書いた人、位の知識しかなかった。

まだネットが普及する前の頃で、当時教えていた音大の図書館で調べてみても、余り多くの資料はみつからなかった。


そんな時、先生が「グリューネヴァルトの絵を見た事があるかい?」とおっしゃったのだ。

「ヒンデミットのオペラ『画家マティス』の主人公の名前でね。オペラが初演された時には、皆でチューリッヒまで見に行ったものだった。長〜いオペラだった」


確かに、ヒンデミットの代表作の名前としては知っていたが、その画家はフランスのアンリ・マティスだろうと漠然と思っていたのだった。

やっと手がかりが見つかった思いだった。


マティアス(又はマティス)・グリューネヴァルド。15〜16世紀の宗教画家で、彼の生涯については余り詳細はわかっていないらしい。

『イーゼンハイム祭壇画』の作者としてその存在が知られていて、それは、ドイツのコールマールにある教会の祭壇画であった。

現在は美術館に収められているそうだ。


ヒンデミットは、この画家を主人公としたオペラを、自ら脚本を書いて完成した。

「権力者の為に描くことをやめて、農民たちと共に戦ったという内容が、ナチス政権の忌避を買った」と、wikipedia に記述されている。

その結果初演は、フルトヴェングラーが指揮してベルリンフィルの予定だったのに、取りやめとなってチューリッヒで行われたらしい。


交響曲「画家マティス」は、このオペラを作曲家自身が再構成して、仕上げた演奏会用の作品である。

交響曲も、私はまだ残念ながらCDでしか聴いた事がない。

でも最近はヒンデミットの作品が取り上げられる機会が増えているので、アンテナを高く張っていれば、そのうち出会えるかもしれない。

久々に、懐かしい名前を聞いた思いであった。

色々な場所に顔を出してみるのは、悪くない。



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頭痛の中でのコメント、ありがとうございます

シシーマニアさん

吾喰楽さん、コメントありがとうございます。

きいた話ですが。
国立音大では、オペラ公演があるときには、必ず代役も立てるのだそうです。でも、結局代役の人は本番では歌えないので、大学の中で代役の人達の公演をするそうです。1000円とかの安い入場料で。
良い話だと思いました。
吾喰楽さんも、そのオペラをご覧になったのかもしれませんね。

2015/05/19 13:10:01

オペラ

吾喰楽さん

おはようございます。

オペラは、国立音大生に誘われて、一度だけ観たことがあります。
もっとも、男子学生に誘われていたら、断ったかもしれません。(笑)

懐かしい青春の思い出です。

2015/05/19 07:10:56

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