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独りディナー
かぼちゃの贈り物
2015年02月04日
テーマ:アメリカ
アメリカに着いたのは10月1日だった。30年以上前の事である。
生後18ヶ月の娘と5ヶ月の息子と共に、親子四人がバスで新しい居住地の小さな大学町に到着したのは、その日の夕方だった。
ボランティアの文化が根強い土地柄だからか、大学のオフィスでは女性の事務員の人達が何かと気遣ってくれた。
まず、スーパーに連れて行ってもらって買った品物は、大量の紙おむつ、という状況だったけれど。
数日後に落ち着いたのは、キャンパス内にあるアパートで、管理人のジョンさんが、「転居して行った人が置いていった、中古の冷蔵庫があるけど、買うかい?」と言ってくれたのも、二人の赤ん坊を抱える生活に同情してくれた為だったろう。
10月は居住者が入れ替わる時期だからか、お隣さんがやってきて「まずは家具を調達しなきゃ・・」と、主人を家具など貸してくれる大学の生協の様な場所へと連れて行ってくれた。
ぼんやり子供達と留守番をしていると、「私は、上の階に住むバーバラです」と素敵な女性が、かぼちゃを持ってやってきた。
「大学内の家族で作っている会の中に、”ウエルカム・ニューカマー”というのがあるので、ご案内に来ました」と言って、「これを、どうぞ」と、何故か、かぼちゃを渡してくれたのだ。
私は、ちょっとびっくりして「この辺は、かぼちゃの産地なのですか?」と、まず訊いてみたが、どうも見当違いな質問の様だった。
「日本では、よく茹でて食べるのですが、アメリカでは?」と重ねて訊いてみたのだが、アングロサクソン系と思われる上品なバーバラさんは、困った様に、「オーブンで焼くかしら。でも、これは食べないけど・・」、と何となく言葉を濁す様にして、帰って行った。
転居が日常茶飯事の場所だけあって、早速主人は、カーペットやベッド、ソファー等をワゴン車に積んで帰ってきた。大体の様子は既に聞いてきたらしく、前日アパートに入居が決まった時点で、ワゴン車をレンタルしてきていたのだ。
そのアパートの南側は、一面に芝生が広がっていて、その先にはボート部の練習用に作られた、細長くて川の様に見える湖がきらきらと輝いていた。
ランドリーや、子供達が遊べる広いプレイルームのある、明るい半地下から外に出るとすぐ前には、プレイグランドと呼ばれる、ブランコや滑り台や砂場のある小さな公園があった。
子供達と一緒にそこで遊んでいると、すぐにママ友が数人できて、アパートの子供達が一緒に遊ぶ「プレイグループ」があるのだけど、良かったら入りませんか、と誘われた。
そこで、初めてハロウィーンの行事について聞かされたのだ。
「子供達が仮装して、各戸を回ってお菓子をもらうのよ。Kマートに行くと仮装用のコスチュームがいっぱい売ってるから、貴女も子供達に着せてみたら?」
と、具体的なことを聞いたのは、ハロウィーンの直前だった。
Kマートで、セサミストリートに出てくるアーニーの衣装を見つけて、親は楽しみにしていたのだが、訳の分からない1歳半の、とってもシャイだった娘が、喜んで着たがる筈も無い。
早目に手に入れて、事前に慣れさせるという知恵もなかったまま、途方に暮れているうちに、夕方になって少しずつドアのノッカーを叩く音が聞こえ始めた。
子供たちが、それぞれに仮装して現れては、「チェックァ トゥリー!」と叫ぶのだ。
何なのだ、これは・・。口々に叫ぶ子たちに、「なんて言ってるの?もう一度言ってみて・・。」と訊くのだが、当然ながら「チェックァ トゥリー」と、繰り返すばかりだ。
一応教えられたように、用意してあったキャンディ等を渡していると、そのうち娘はそれを見ていて、どうやらアーニーの衣装を着るとお菓子が貰えるらしい、と納得した様子で、何度めかの私の誘いにやっと応じて、赤と青と黄色の縞々のコスチュームを着てくれたのだ。
ご近所の開いたドアの前で、嬉々とした私に抱えられて、気後れしながら持っている袋を差し出した娘に、ご近所さんは「ハッピー ハロウィーン!」と言って、優しくキャンディを中にいれてくれた。
そして初めて気づいたのは、キャンディーを用意してあるお宅の窓際には、種を繰りぬいて、顔の形に穴を開けて、その中にろうそくを灯した、大きなカボチャが飾ってある事だった。
あの贈り物は、そういう事だったのか・・。
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異文化での失敗談です。
パトラッシュさん
褒めて戴いて、ありがとうございます。芋づる式に出てくる、異文化での失敗談等を、これからも書いていこう、と勇気がでます。
2015/02/04 15:55:12
小さな街だからでしょうね。
吾喰楽さん、
コメントありがとうございました。
アパートの住人に、目抜き通りで出会っても、お互いに「ハーイ!」と声をかけたり、なんて親しみやすい人達なんだ、と思いました。とても楽しかったです。
2015/02/04 15:51:52
ハロウィーン
おはようございます。
最近、日本でも若い人の間では、ハロウィーンが流行っているようです。
アメリカは、「個人主義の国」という先入観がありますが、そうではありませんね。
遠来の入居者に、親切なのに驚きました。
大学町だからなのでしょうか。
2015/02/04 07:36:43