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敏洋’s 昭和の恋物語り

愛の横顔 〜100万本のバラ〜 (二十四) 

2024年01月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「わかりましたわ」とばかりに帽子に手をやる栄子の姿に、うんうんとうなずく松下だったが、栄子のうしろに立つ青年を見て愕然とした。“なんだ、あの男は。まさか調査員が報告してきたプータローか?”困惑顔を見せる松下に「お待たせしました」と笑顔を見せる。うしろにかしこまっている若者を従えての登場に、松下は不機嫌さを隠しもせずに「不愉快だ、ぼくは。どうしてこの若者がいるんですか」と、かみついた。
「それについてはお詫びします。ただ彼もまた、わたしにプロポーズをしてくれています」“わたしのペースに持って行かなきゃ”と、涼しい顔でこたえる栄子だった。それに気をよくした正男も「そうだとも。ぼくにもここにいる権利があるはずだ」と、胸を張った。“なんだ、このおっさんは。資産家だときいていたけど、全然じゃないか! こんな場所もばしょなら、このしわだらけのシャツはなんだ。二流会社のしょぼくれた経理マンって感じじゃないか。こんな男に栄子さんをとられるわけにはいかん”
引き下がるわけにはいかないのだ。父親との確執を越えての今夜なのだ。 昨夜のことだ。両親から激しくつめよられた。母親から栄子との交際について聞かされた父親が、珍しく定時に帰宅した。そしてバイトに出かける正男を足止めさせていた。「ダンサーなんぞにかまけて、一体どういうつもりだ。いちや夜りの遊びならまだしも、結婚だなどと騒ぎたてているようだな。あいつらはな、まともな人間じゃないんだ。ロマンという化けものにとり憑かれた魔物だ。湯水のように金をつぎ込んでも、もっと! と叫ぶような、与えてもあたえても愛の証しを求めてやまぬ人種だぞ。聞いてるぞ、お母さんから一体いくらの金を引き出したんだ! それは授業料だとしてもだ。これからの一生を台無しにするつもりか!」
 うつむいて聞いていた正男だったが「ぼくの人生なんだ。父さんの言いなりにはならない。借りた金は、きっと返す。それにいま、クラウドファンディングで資金集めをしているから。もうお母さんにムリは言わないし」と、勝ち誇ったように言った。とたんに母親の顔がひきつり「正男ちゃん。やめて頂だい、そんなことは。お金ならお母さんが用意してあげるから。ひとさまを巻き込むようなようなことだけはやめてちょうだい。お父さまの立場も考えておくれ」と、懇願した。父親はあきれ顔を見せ、首を横にふるだけだった。

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