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読書日記
『奥州仁義』 読書日記311
2023年12月27日
テーマ:読書日記
井原忠政『奥州仁義』双葉文庫
三河雑兵心得シリーズも13冊目。今や500丁の鉄砲組を率い、三千石の領地を持つ茂兵衛であるが・・
amazonの内容案内では
秀吉の命令により、北条氏の旧領である関東に移封となった徳川家。家康に従い、一族郎党を引き連れて江戸にやってきた茂兵衛だが、辺りは葦が生い茂る湿地で、あちらこちらで土を掘ったり埋めたりとかまびすしい。
そんな中、陸奥国、南部氏の家臣である九戸政実が秀吉による奥州仕置に異を唱え、反旗を翻した。
ただちに再仕置軍の派遣が決定し、徳川家も参陣を求められる。井伊直政の軍監として出陣することになった茂兵衛は、例によって家康から無理難題を命じられてしまう。
戦国足軽出世物語、四分五裂の第十三弾!
この家康の無理難題とは「奥州武士に徳川勢への怨嗟を残さぬように戦え」というものである。一方で秀吉旗下の将による監視の目があり、露骨に攻め方をゆるめる訳にはいかないというジレンマは以前にもあった。
話は変わるが、私たちはその後の歴史の流れを知っているために、この後、朝鮮征伐があり、秀吉が死に、関ヶ原という決戦を経て家康が結局は豊臣家体制を覆すことを知っている。ただ、当事者たちはどの様に考えていたのであろう。将来、豊臣方と徳川方とに天下が二分されて決戦が行われると予測しての行動は可能であったのか?しかも、関ヶ原で家康が負けたかもしれない。正直に言えば「一寸先は闇」状態では無かろうか。
現状の日本を題材に空想を弄べば、安倍派の崩壊までは予想出来るかも知れないが、自民党の下野と現野党の結集による政権交代になるか、新たな自民党補間勢力が現れての自民党の政権維持となるか、どちらの方が蓋然性が高いであろうか。先を読むということは難しいものである。
何はともあれ、史実の通りをなぞるのが一番楽な道であろう。
(2023年12月14日読了)
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