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読書日記
『レッド・プラネット』 <旧>読書日記1589
2024年05月10日
テーマ:<旧>読書日記
ロバート・A・ハインライン『レッド・プラネット』創元推理文庫(図書館)
図書館で文庫の棚を見ていたらハインラインを見つけた。それも聞いたことの無い題名。手に取って奥付を見れば日本では1985年初版で1993年に再版されたものでジュヴナイル(*)であった。
さらに見たら、1949年に本国で出版されたものだった。
題の「レッド・プラネット」とは火星のこと。人類は火星に入植し、火星人と共存している。この火星人は人間とは接触しようとせず、人間を消したり、水を分け合う儀式などのちの『異星の客』と様子が似ている。もちろんこちらがオリジナルであろうけれど、『異星の客』ではここでの火星人の設定を再使用し、発展させたものであろう。
で、火星はその開発を<カンパニー>によって司られ、火星の入植者たちは直接カンパニーとの関係は無いとしても、交通(氷上船)や物資輸送などで世話になっている。そのカンパニーは入植者たちの実情を無視した強引な植民計画を立案した。実施されれば、多数の死者が出ることはまちがいない。計画を知ったジムとフランクは、これをを阻止せんと奔走し入植者たちの決起を促(うなが)す。だがカンパニーの対応は素早く、彼らは学校の建物に追い込まれ、包囲されてしまった・・と言う話。
ああ、ハインラインはこういう話を良く書いていたなぁ、と思った。少年が何かの不正義に気づき立ち上がって反抗しつつ、自分も成長していくというタイプの話だ。それにアメリカの開拓魂、銃の携帯、自由の希求など、
ハインラインらしさ満載。でも、最後は火星人の手で解決するというのがご都合主義か。21世紀の今から見れば第二次大戦直後のアメリカはある意味素朴で勢いがあったなぁと思う。古き良き時代の産物であった。
(2021年10月23日読了)
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