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読書日記
『伊賀越仁義』 <旧>読書日記1590
2024年05月13日
テーマ:<旧>読書日記
井原忠政『伊賀越仁義』双葉文庫
三河雑兵仁義シリーズの7冊目。著者のブログ「戦国好きの犬漫画」などによると第6巻と第7巻は共に天正10年(1582年)の出来事で前編後篇の位置づけなんだそうだ。
天正10年(1582年)に起こった史実をざっと書くと
2月 織田信長、武田攻めの陣触れ
4月 武田勝頼らが自害し、武田家が滅亡
6月 本能寺の変
7月 山崎の戦い
というような具合でどうやら著者は1年間の話としてまとめようとしたが、長くなってしまって2分割したらしい。
さて、前巻の終わりで本能寺の変が起こり、摂津を遊覧していた家康は一時は自害も考えるほどであったが、思い直して三河目指して脱出することにる。回りを固めるのは徳川四天王らで50名に満たない(この中に植田茂兵衛が入っているのはもちろんフィクション)。これだけの人数で信長に逆意のあるものが多い伊賀を果たして超えられるのか?という話がおよそ6割で、無事脱出してからは家康の甲斐国切り取りの話になる。
このシリーズ、主人公の茂兵衛はもはや堂々たる騎馬武者であり足軽上がりとは言え一隊の指揮官となっている。家康が天下人となるまでにどこまで出世するのか、楽しみと言えば楽しみである。
なお、読書日記1582の『峠越え』にも同じく家康の伊賀越えを扱った一篇があり、雰囲気は大きく違う。読む時期が重なったのはたまたまの偶然であるが、こちらの方がよりリアルな感じがした。
(2021年10月24日読了)
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