読書日記

『天離り(アマ サカリ)果つる国』下 <旧>読書日記1516 

2023年11月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:<旧>読書日記


宮本昌孝『天離り(アマ サカリ)果つる国』下 PHP研究所(図書館)

図書館で借りたい本を予約する際に順番予約という方法がある。つまり、上下2巻に別れていたり、何冊かのシリーズがある時にその順番に予約するのである。これは連続して読みたいときには良い方法であると思うのであるが、順番待ちをしている間に予約を飛ばされ、後から予約した人に先に貸し出されることがあると知った。

おかげで、上巻と下巻の届くまでの時間差が3週間を越えてしまい、上巻を読了・返却してから下巻まで1週間の間が空いた。後に続く本のことを考えなくとも良い為か本巻はスムーズに読み進められ、話の流れも(終末が見えてからは特に)滞りが無くなった様に感じた。

PHPの月刊文庫『文蔵』2016年7月号〜2019年12月号に連載され、上下巻合わせて800ページに及ぶこの話は、大雑把に言えば

時は乱世。飛騨白川郷を他者から奪わず、他者から支配もされず、自分たちの意と行いによって立つ独立(どくりゅう)の地たらんとするのは、帰雲(かえりぐも)城を拠点とする内ヶ嶋氏理(ウジマサ)、その意志を竹中半兵衛を師に持つ快男児津田七龍太が実現しようとして天下取り3代の覇者信長、秀吉、家康の手から守ろうとする。そして七龍太と氏理の娘である姫武者紗雪との恋を描く。

なお、この帰雲城は実在したが、1586年(天正13年)の天正地震による山崩れで城と城下町が全て埋没して内ヶ嶋家も同時に滅亡した。この史実をもとに浪漫色溢れる話に仕立てたのが本書。

読書のきっかけは2020年11月19日付けの日経夕刊「三冊の本」での書評を読んでのことであったが、結論的にはこの書評は褒めすぎであったと思う。と言うか、今まで何冊か著者の本は読んで来たが、宮本昌孝ってこんな風な書き方をしていたのだろうか、と考えてしまった。
(2021年6月1日読了)

上巻については
https://www.navi-tomo.com/user/blog/diary_chg.php?id=899350
で書いています。



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