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読書日記
『はじめは駄馬のごとく』 読書日記292
2023年11月19日
テーマ:読書日記
永井路子『はじめは駄馬のごとく』文春文庫
この本はもともと1989年の出版であるが、今夏、突然に新装版として復刊された。
内容紹介に曰く
歴史をながめてみると、トップの陰で、決して目立たないが充分な実力を持つ、したたかな仕事師がいたことに気づく。北条義時や徳川秀忠がそれである。一方で、その陰の役割に徹し切れず、身を滅ぼした源義経や明智光秀の類の連中もいる。No2の生きがいとは。巻末に城山三郎氏との対談「いま、ナンバー2がなぜもてる」を収録。
というもので、目次には
北条義時−−初めは駄馬のごとく
源義経−−スタンドプレーが怪我のもと
徳川秀忠−−花咲くモグラ戦術
平時忠−−平家政権の仕掛人
明智光秀−−途中入社の栄光と挫折
藤原不比等−−大忠臣の完全犯罪
視点を変えて−−ナンバー1からの採点
と、著者から見たナンバー2道とでもいうべき一篇が掲載されている。ところで彼らがナンバー2であったとしたら、ナンバー1は誰であろうか?
著者に言わせると、それぞれ北条時政・北条政子、源頼朝、徳川家康、平清盛、織田信長、そして持統天皇である。
さて、北条義時以下の中でナンバー2として失敗した例として源義経があげられているのだが義経は果たしてナンバー2だったのかは私には疑問である。対平家などの戦闘では軍司令官であるから(但し同格の範頼がいる)ナンバー2とも取れるけれど政治的には北条時政では無かったかとも思われる。また、光秀も織田軍団の五将の一人ではあるがナンバー2と言えるかどうかは疑問である。なお、古代において藤原不比等は目立たないが案外に重要な働きをしており、後の藤原氏の繁栄は不比等の功績と言って良い。
(2023年10月28日読了)
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