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敏洋’s 昭和の恋物語り

青春群像 ご め ん ね…… えそらごと(二) 

2023年11月19日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 次第にラジカセから流れる声に、彼の動きがズレはじめた。となりの社員が大きく広げた手に、足がもつれた彼のからだが当たってしまった。それを見とがめた部長から「おい、そこ。キビキビとやりなさい!」と、声が飛んできた。みな一斉にふりむいて彼を見た。
(なんでだよ、おれ以外にもかったるそうにやってる奴、いっぱい居るだろうが。というより、ほとんどみんな、そうだろうが。マジメにやってるのは、あんたとあいつだけだろうに。ジョーダンじゃねえぞ。くそ、もう辞めてやる! どうせ仕事にいや気がさしているんだから。なんでかって? そんなもん…)。すぐには思い浮かばない彼で、少しの間をおいてから、どす黒くたまっていたおりを吐き出した。
(車が軽自動車だということだよ。出足・加速・クッション、ぜんぶ最悪なんだよ。まったく腹が立つ。なんだそんなことかなんて言われたくないね。一日中車に乗ってる身にもなってみろよ。へたすると昼飯だって、パンをかじりながらとかおにぎりをほおばって走らせてるんだから。その上に、車の乗り方で上司にねちねちと小言を言われているし)。
? 彼にも言い分はある。荷物のさばき量は彼が一番だ。しかしそれを口にしてはガソリンの経費がかかりすぎだし、事故らないかと気をもませられると、さらにお小言をちょうだいしてしまう。たしかに交差点での発進でゼロヨンスタートまがいにアクセルを噴かすことはある。角をまがる折りにもタイヤを軋ませながら速度を出来るだけ落とさずに曲がろうとする。
けれども事故の経験はないと胸をはる。しかしそんな時に必ず引き合いにだされるのが、彼がマジメ人間だと称する岩田のことだ。ていねいな仕事ぶりが主任に評価されているが、若者らしさがないと彼は思っている。多少の無茶をするのは若者の特権だ、やんちゃを出来ない奴は大人になれないと、常々おもう彼だ。
(やんちゃか……。けど、かれのそれには負けるな……)

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