読書日記

『うさぎ玉ほろほろ』 読書日記281 

2023年10月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記


西條奈加『うさぎ玉ほろほろ』新潮社(図書館)

図書館に予約した本を借りるついでに覗いた棚にあり、本の体裁から『まろまろの毬(マリ)』『亥子(イノコ)ころころ』に続く本ではないかと借りた本である。読んで見れば案の定、3年ぶりに出た南星屋シリーズの3冊目であった。

amazonの内容紹介では

武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。看板娘の孫、お君。
親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗「南星屋」には、味と人情に惹かれやって来るお客が列をなす。
麹町を大火が襲った夜以来、姿を見せなくなった気のいい渡り中間を案ずる一家だったが、ある日、思わぬところから消息が届き……。

「誰だって、石の衣は着ているもんさ。中の黒い餡を、見せねえようにな」
ほろりとやさしく切ない甘みで包む親子の情、夫婦の機微、言うに言えない胸のうち。
諸国の銘菓と人のいとなみを味わう直木賞作家の大人気シリーズ、最新刊!

〈収録作〉
饅頭くらべ
母子草
肉桂餅
初恋饅頭
うさぎ玉ほろほろ
石衣
願い笹

とあり、短篇が少しずつ重なり合う形式の本であった。この本でのキーとなるのは渡り中間の鹿蔵である。「饅頭くらべ」の冒頭で登場し、火事騒ぎの中で行方不明となる。「母子草」では鹿蔵が預けていった書状の話題が出て、「石衣」で鹿蔵の妹と称する女が現れる。最後の「願い笹」で鹿蔵とその妹の正体が判ると同時に南星屋の一堂皆殺しの危機であったことが示される。ある意味、その危機のきっかけは治兵衛の孫であるお君の行動がきっかけであったのだが・・
(2023年10月4日読了)



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







掲載されている画像

上部へ