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敏洋’s 昭和の恋物語り

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 〜まーだらー〜 

2023年10月28日 外部ブログ記事
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(七)人でなしの国
 そんな新一のことばに、わたしは黙した。独善的な新一に反論はゆるされない。一の反論に対して、十の再反論がかえってくるのが常だ。わたしが黙りこくると、新一は満足げにうなづく。
正直のところ癪にさわるが、新一と口論してもはじまらないと、わたしがいつも矛をおさめてしまっている。ものわかりの良いわたしが、吐きだすことばをのみこんでしまう。おなかがいっぱいだ、ことばで。
 あい反する意見のふたりのあいだに、友情というものは存在しうるのだろうか。はたして、同一行動をとるふたりだからと、友情が存在しているのだろうか。わたしと新一のような従ぞく的関係でも、それは友情とよばれるのだろうか。
 わたしは新一が好きだ、尊敬もしている。新一もまた、わたしが好きだと言ってくれる。
 新一は言う。「愛憎の間に、人は住んでいるのじゃないだろうか。感情を持たない人間などいるはずがない。もしいたとしたら、その人は超人だろう。すべてを超越して論理的に思考する……ぞっとするね。『超人たちの国』なんて、『人でなしの国』だろうからさ」

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