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敏洋’s 昭和の恋物語り

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり! (二十七) 

2023年10月20日 外部ブログ記事
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(吉岡一門 一)
 洛外蓮台野において。 静まりかえっている境内は、煌々とかがやくかがり火で昼ひなかのように明るく照らされていた。そこに、本堂を背にして清十郎が陣どっていた。当事者以外には秘密にしていたにも関わらず、また冷え込む夜間にも関わらず、そしてまた洛外だというのに十数人の見物人がいた。門人たちが口々に「見世物ではないぞ」「帰れ帰れ」と叫んでいる。
「騒がしゅうて申し訳ございませぬ。どうやら、ムサシが漏らしたようで。門人に取り囲まれるとでも思ったのでございましょう。まさに下衆の勘ぐりというもので」「いやいや、そうではあるまい。多数の門人だ。中には口の軽い門人もおるであろう。しかし事を穏便に済ませようと思ったが、これではそうもいくまいて。ムサシには悪いことをしたかもしれぬな」
 鷹揚な気質の清十郎を知る師範代の梶田に不吉な思いが過ぎった。「左様でごさいますな。なれど案外にも、ムサシが門人を打ちのめしたからと鼻高々に言いふらしたとも。しかし清十郎さまと戦うことになろうとは…気の毒な者でございます」「致し方あるまい。当方に失態があったのは事実のこと。そのことについては謝らねば」
 あくまで大人(たいじん)としての態度を見せつけようとする清十郎を見るに当たって、思わずもらした。「相変わらずお優しいことで。伝七郎さまのお耳に入ろうものなら、烈火の如くにお怒りでございましょう。いっそ…」 危うく「お任せになられては」と言いかけて飲み込んだ。
「あ奴は、あ奴だ。剣では、あ奴が上であろう。さぞかし、二男がゆえに冷や飯を食わされたと思っているであろう。あの性格さえのお。どこぞの藩の剣術指南役になれぬかと思っているのだが、あの所行では…。一体なにを考えておるのか」
 空に浮かぶ月を見ながら明日には下弦になるのか……”と、これから始まる死闘のことが頭から消えてしまった。

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