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敏洋’s 昭和の恋物語り

愛の横顔 〜100万本のバラ〜 (十一) 

2023年10月04日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 正男に言ったのかひとり言なのか「まず、セビジャーナスね」と、うなづいている。あくびをかみ○す正男だったが、ひとり現れたダンサーが、床をタンタンと踏みならした。腰を前後左右に振りながら、手の指をくねくねと回して踊る。「うんうん」とうなずく沙織、しかし正男にはなんの感動もない。
 舞台の両袖から、ふたりずつのダンサーが呼び出されるようにあらわれた。手をたたきあいながら、床を踏みならして踊りあう。互いに向き合ったダンサーたち、両手を高く上げてクルリクルリと回りあう。よく見ると左右対称の踊りになっている。
 そして迎えいれられるような形で、中央に進み出たスターダンサー。五人が一斉にスカートの裾をひるがえしながら床をふみ鳴らす。白い足に釘付けになった正男の視線の先に、日本人ダンサーを見つけた。栄子だった。
 素っ頓きょうに「おい、日本人じゃないか?」とさけぶ正男を、信じられないといった表情で「しずかにして! 恥ずかしいでしょ」と、沙織がたしなめた。周囲もまた、眉をひそめている。頭を下げる沙織に対し、どこ吹く風とばかりにしれっとしている正男だった。
パンフレットを見て「松尾栄子か、友情出演?」と声に出す。退屈さをまぎらわすためなのだが、沙織には嫌がらせに思える。「声にしないで!」と、いらだつ沙織だった。
? その夜、くるったように沙織を求めた正男だったが、沙織の胸には“これで終わりかも”といった漠然としたおもいが去来した。結婚相手としての条件は極上なのだが、正男という人間に違和感を、いや嫌悪感にちかいものを感じはじめていた。欠点をあげつらったらだめ、と己をいましめるのだが、どうしても消えない。
ならばと、長所を思い浮かべてみる。やさしい。しかし裏をかえせば優柔不断とも思える。おしゃれ。といっても母親の見立てらしい。裕福。親のことであり正男はフリーターだ。結局打ち沈むだけの沙織だった。

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