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読書日記
『松葉の想い出』 読書日記190
2023年04月28日
テーマ:読書日記
知野みさき『松葉の想い出』角川時代小説文庫
神田職人えにし譚シリーズの3冊目。さて、二日連続で読み、まだ手元には三冊残っている・・と、なると今日もまた読むのは必然となる。実を言えば、5巻を五日で読み終えたのである。順番を違えぬように見返しに数字を書き込んで間違えないように準備した。
今巻の内容案内では同じ長屋に住む幸が昨日から帰って来ていない。
心配になった縫箔師の咲は幸が働いている茶屋へ出向き、
女将から母親の具合が悪く、実方に戻っているので店を休んでいるという話を聞いた。
しかも実方は日本橋にある乾物屋だという。幸は親兄弟も親類もみんな亡くし、身寄りはいないはず……。
咲は困惑する。そんな折、幸の姉と名乗る女が長屋に現れて──。
という「お包み抱っこ」の話。少しずつ同じ長家のみんなのキャラクターが掘り下げられてきている。また、しろとましろの二人組の在り方が面白い。
その他に「桔梗の邂逅」「松葉の想い出」が加わっての三作。
「桔梗の邂逅」は咲が世話になっている桝田屋で出会った善右衛門と三味線の師匠桔梗の不思議な縁を描く。この話では飾り職人の修次と縫箔師の咲が意匠を競い合う。
「松葉の想い出」は、元許嫁、兄弟子の啓吾が行方不明になった。咲と一緒にいるのでは?と疑い、嫁が長屋までやってくる。啓吾は目を悪くしているらしい。第一巻で兄弟子啓吾と咲が別れたいきさつのあらましは語られているが、あらためてさきは己の進む道を確かめる。
(2023年4月9日読了)
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