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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第二部〜 新(三百三十七)
2023年04月12日
テーマ:テーマ無し
「店に着いてからが、面白かった。もう、腰を抜かさんばかりだったじゃないか」「ところがさ、その日は持ち合わせがなくってさ」「そうそう。明日の朝一番に来るから、これとこれとあれを残しておけって、うるさくてさ」「他の客が手を出したら、怒ること怒ること」「明日も入ってくるから心配ないって、何度言っても納得しなくてさ。社長が『商売の邪魔だ! 金のない奴なんか客じゃねえ!』って切った啖呵に『よおし!そ れじゃ、明日八時に来るからな。その時物がなかったら、承知しねえぞ!』って」「そうしたら、社長が切り返して。『へっ。もし無かったら、この俺の命でもなんでもやるよ!』」「おおさ。こっちはもう、ハラハラだよ」 互いの肩をつつきあいながら、三人の思い出話はつきない。「翌日が大変だったじゃないか。まだ店を開けてないのに、大声を出してさ。ヒビってたよな、山田。小便、洩らしたんじゃなかったか?」「バ、バカ言うなよ。服部くんじゃないか、『竹田。お前、店開けろよ。』って、後ずさりしたの。そしたら、竹田君、けろっとしてさ。『ああ、いいよ』って店を開けたよな」「ほんと、肝のすわってる奴だよ」「でも服部君のおかげで、無事に取引済んだじゃないか。『用意してあります、用意してあります。そうだ、こっちの商品はどうです?』なんて、言っちゃって」
「そうだよ。専務が持ち込んでくれるまで引き伸ばしてくれたもんね。大したもんだよ、ほんとに。あきらかに疑ってたよ、山田のおっさん」「いやあ、もう。あの時は、ほんとに必死よ。なにをしゃべったのか、まるで覚えてない。ただただ、機関銃みたいにしゃべりまくったことだけは覚えてるけども」「身振り手振りで、話してたよ。竹田君は知らん顔で掃除を始めたからさ、ぼくもすぐに外に飛び出したけど」「お前らは、ほんと薄情者だよ」
「服部君なら大丈夫だと思ってたから。それに、山田の親父さんにしても、顔はいかついけれど優しい人だったしさ」「どこがだよ。あの風体のどこから、そんな風に思えるんだよ」「子どもに優しかったじゃないか」「子どもに?」「どこにいるんだよ、店のなかにいるわけないだろうが!」「ハハ、店じゃないよ。ほら、案内する時だよ。四ツ辻で、子どもとぶつかったろうが。その時に、頭をなでていたじゃないか。『気を付けなきゃだめだぞ』って、ニコニコ顔で」 竹田の言うことだから間違いはないだろうけども、とみなが思いつつも「知らねえよ、そんなこと。覚えてるか? 山田は」と、山田の首に手を回しながら、服部が言う。「あの時は、とに角お客を店まで引っ張り込むことに必死だったから。けど、竹田くんがそう言うんだから。やめてよ、ヘッド・ロックは」。山田が口をとがらせた。「ま、竹田はクールガイだもんナ。山田はガタイが大きいから、タフガイだ。そして俺は、格好いいからマイトガイだ」 鼻を鳴らしながら、胸をそらす服部だ。
「ほんと、服部くんはうまいことを言う。ぼくのタフガイはほめすぎとしても、竹田くんのクールガイはピッタリだ。けどさ、自分のことを、格好いいとかマイトガイとか、そこまで言うかい?」「なんだ? だったら、山田。お前が言ってくれたか? お前にそんなセンスがあるとは思えねえぜ」「ちがいないや、確かに。でも、あしたには思いついたと思うよ」「こら! お前ら、分かったのか? 社長の指示が」「はい、もちろんです!」 三人のそろった声は、部屋の窓をふるわせるほどに力強かった。「よし、それじゃ解散だ。他の者には、お前らからうまく話してくれ。なんの心配もないから、指示どおりにやれとな。頼んだぞ」「はい、もちろんです!」
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