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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第二部〜 (三百四十)
2023年03月31日
テーマ:テーマ無し
小夜子にしても、武蔵のいない自宅にもどったところで、千勢をあいてに料理談義ぐらいがせきのやまなのだ。正直のところ、もう料理については興味が失せている。いや、おさんどんは千勢に、と決めてしまった。どころか家事全般をまかせる――というより、投げ出してしまった。なにをどうあがこうと、千勢には勝てぬと思いしらされた。「勝ち負けじゃないぞ、気持ちだ、きもちだよ」。武蔵がいう。慰められた。そう思ってしまう小夜子で、ならばいっそそれには手を出さぬほうが、小夜子の精神状態にはいい。なまじ張り合おうとするから、また千勢を追い出したくなるのだ。武蔵にほめられるのは己だけでいい、いや、そうでなければならない、気が済まないのだ。
「もう。竹田ったら、そればっかり。いいのよ、きょうは。そうだわ、竹田。お食事していきましょう。あたしのわがままに付き合わせてばかりだものね。お礼がわりの食事をしましょ。うーん、なにがいいかしら。武蔵はお寿司専門みたいだから、お肉料理にしましょうね。お肉といえば、当然にビフテキよね。武蔵といつも行くお店があるのよ」「でも、小夜子奥さま。わたしはお腹もへっていませんし、、、」「いいの! なんなの! きょうにかぎってどうして逆らうの。武蔵になにかいわれたの? そう、加藤専務ね。あの人、きらい。なにかと小言ばっかりいって」 すれ違う人びとが、ぺこぺこと頭を下げつづける竹田に蔑視の視線をむける。こびへつらうだけの竹田を感じ、そしてまた武蔵におもねるだけの竹田だと小夜子には見えてきた。
「いえ、とんでもないです。専務は、小夜子奥さまのお体のことをご心配されているだけです。普段がいろいろとお忙しくされているから、あまりあちこち歩きまわるなと」「ほら、ごらんなさい。あたしが銀座やらにくるのが、嫌なのよ。どうしたって、お金を遣っちゃうからね。ほんと、けちん坊なんだから、加藤専務は。でも武蔵は、遣っていいっていってくれるのよ」 結局は小夜子の意思にしたがわざるをえない竹田なのだが、きょうにかぎっては逆らってしまった。なぜかしら、陽の高いうちに送り届けねばならないと思えたのだ。なにかしらいつもの小夜子ではない気がしてしまうのだ。太陽の光にたいし「まぶしい」と過敏に反応してみたり、かるい腰痛をうったえてみたり、すこしのにおいに反応してみたりと、普段の小夜子からは考えられないことが多々感じられた。「おかぜを召されたんじゃ?」。検温をすすめてみるが「病人あつかいしないで!」と叱られてしまった。
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