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敏洋’s 昭和の恋物語り
半端ない読後感:トルストイ作「アンナ・カレーニナ」その参
2023年03月28日
テーマ:テーマ無し
はじめて読んだ折には好きになれなかったリョーヴィンが、いや反感すら抱いてたのに、いまでは涙を流さんばかりに読んでいます。というのもですね、彼のこころからの吐露を知るたびに、キチイに対する思いの丈を知るたびに、どんどんわたしの中に入りこんできます。こんなにも純真な青年だったのか、こんなにも純朴な青年だったのか、こんなにもわたしと似ている青年だったのか――ちょっと脱線気味ですかね。いやもうですね、アンナの章を読むのが辛いんです。なのに、ああそれなのに、リョーヴィンとキチイとのままごと遊びのような恋に触れていると、しあわせ〜〜なんです。ふわふわとした雲の上をごろごろと寝転がるような、そんな温かい気持ちになるんですわ。
に対して、アンナとブロンスキー。許せないです、アンナの家出が。お読みになられていない方のために、すこしご説明をしなければなりますまい。あくまで、私見です。トルストイの考えではありません。離婚についてです。いまの段階では、まだ家出をした、ブロンスキーと駆け落ちをした。名声も富も、アンナ自身の評判を貶めてでも、という覚悟でもってです。ある意味で、それはそれで立派であり、納得できぬわけではありません。むしろいびつな夫婦生活をおくるよりは、ましなことかもしれません。
問題はそこではなく、駆け落ちという手段です。もう一度言います。名声も富も、アンナ自身の評判を貶めてでも、という覚悟は立派です。もしも、自身のこのこののちの生活のためにと、金員を持ち出したとしても、わたしは批難はしません。家出まえに、金印を貯めるこういをしたとしても、良しとします。ですが、許せないのは……。他に好きな相手ができたから――運命の相手があらわれたからとしても――といのはどうなんでしょう。
なんらかの理由で好きでもない相手とむすばされたとしても、やはりキチンとした手順はふまねばならぬ、と、わたしは思います。話し合いのできぬあいてならば、それは家出もやむをえぬことでしょう。巷間言われるDV被害者ならば、なおのことです。むろん、この作品は、ずっとずっと以前の、しかも帝政ロシアが舞台です。わたしの思い及ばぬ社会背景というものがあるとは思います。けれども、なんども言いますが、「不倫によって別れる」、「好きな相手が見つかったから別れる」、これはだめだと思います。心底からの訴えならば、すぐには無理にしてもいつかは理解が得られると思うのですが。その点において、アンナとブロンスキーの同棲生活(正式な離婚となっていないので)は、わたしには到底のこと、許せないものです。そしてどうやら、トルストイ自身も許せないようで、アンナをして、疑心暗鬼の状態におとしこんでいきます。
はじめて読んだ折には好きになれなかったリョーヴィンが、いや反感すら抱いてたのに、いまでは涙を流さんばかりに読んでいます。というのもですね、彼のこころからの吐露を知るたびに、キチイに対する思いの丈を知るたびに、どんどんわたしの中に入りこんできます。こんなにも純真な青年だったのか、こんなにも純朴な青年だったのか、こんなにもわたしと似ている青年だったのか――ちょっと脱線気味ですかね。いやもうですね、アンナの章を読むのが辛いんです。なのに、ああそれなのに、リョーヴィンとキチイとのままごと遊びのような恋に触れていると、しあわせ〜〜なんです。ふわふわとした雲の上をごろごろと寝転がるような、そんな温かい気持ちになるんですわ。
に対して、アンナとブロンスキー。許せないです、アンナの家出が。お読みになられていない方のために、すこしご説明をしなければなりますまい。あくまで、私見です。トルストイの考えではありません。離婚についてです。いまの段階では、まだ家出をした、ブロンスキーと駆け落ちをした。名声も富も、アンナ自身の評判を貶めてでも、という覚悟でもってです。ある意味で、それはそれで立派であり、納得できぬわけではありません。むしろいびつな夫婦生活をおくるよりは、ましなことかもしれません。
問題はそこではなく、駆け落ちという手段です。もう一度言います。名声も富も、アンナ自身の評判を貶めてでも、という覚悟は立派です。もしも、自身のこのこののちの生活のためにと、金員を持ち出したとしても、わたしは批難はしません。家出まえに、金印を貯めるこういをしたとしても、良しとします。ですが、許せないのは……。他に好きな相手ができたから――運命の相手があらわれたからとしても――といのはどうなんでしょう。
なんらかの理由で好きでもない相手とむすばされたとしても、やはりキチンとした手順はふまねばならぬ、と、わたしは思います。話し合いのできぬあいてならば、それは家出もやむをえぬことでしょう。巷間言われるDV被害者ならば、なおのことです。むろん、この作品は、ずっとずっと以前の、しかも帝政ロシアが舞台です。わたしの思い及ばぬ社会背景というものがあるとは思います。けれども、なんども言いますが、「不倫によって別れる」、「好きな相手が見つかったから別れる」、これはだめだと思います。心底からの訴えならば、すぐには無理にしてもいつかは理解が得られると思うのですが。その点において、アンナとブロンスキーの同棲生活(正式な離婚となっていないので)は、わたしには到底のこと、許せないものです。そしてどうやら、トルストイ自身も許せないようで、アンナをして、疑心暗鬼の状態におとしこんでいきます。
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