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敏洋’s 昭和の恋物語り

歴史異聞 鼠小僧次郎吉 〜猿と猿回し〜 (十一)乱心! 

2023年03月21日 外部ブログ記事
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 しかし実の所、次郎吉も、町家に一度だけ入り込んだことがある。七十両を盗んだまでは良かったが、その後「店を閉めてしまった」と聞き、わざわざ再度忍び込んで、金子を返したのである。ある意味、お人好しの盗人ではある。もっとも、町家を敬遠するのには、大きな理由があった。大店では生命よりもお金を大事にする習慣から戸締まりも厳重で、入ることはおろか出ることすら難しいゆえでもあった。
 次郎吉の普段の生活は、おとなしいものであった。好きな博打にしても、決して大勝負はしなかった。そして、殆ど負けている。たまに勝てた時に、吉原で遊ぶくらいのものだ。それにしても大勝負や、豪遊することをためらうのは、何故か?表稼業として、細々と小間物屋を営んでいる次郎吉である。ふんだんに一両小判を使うわけにはいかない。急に金回りが良くなったと思われては、後々こまるのである。博打場にしても一ヶ所に限定せず、あちこちと場所を変えて目立たぬようにしていた。用心深さは、人一倍だった。?
しかし最近の次郎吉はおかしい。昨日も、今日もと、ここ数週間博打場への出入りが激しい。そして、毎晩のように「勝ったから…負けたから…」と、酒を浴びるように飲んだ。そして、吉原にくり出す。あれ程に、隠れるように生きてきた次郎吉の、この変身ぶりは周りを驚かせた。
次郎吉にしてみれば、チビチビと遊ぶ、物足りなさ。世間からの、「義賊!」との賞賛の声。身に覚えのない事が、「ねずみ小僧さまのおかげです」との賞賛の声。まるで、自分以外にねずみ小僧がいるような錯覚。そしていつかは捕縛されるのでは、という不安がたえずつきまとっていた。。「俺は、義賊じゃネエ!大泥棒の悪党だあ」叫びたくなる衝動にかられたことも、一度や二度ではない。
そしてそんな毎日を送り過ごす内に、当然ながら金の出入りも激しく、瞬く間に持ち金がなくなってしまった。それらの不安や苛立ちを紛らわす為、結局盗みを続けていった。それまでの、痕跡を極力残さない次郎吉に、変化が現れた。数々の悪戯を残すようになった。

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