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敏洋’s 昭和の恋物語り

水たまりの中の青空 〜第二部〜 (三百二十五) 

2023年02月24日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「武蔵、武蔵。どうして、どうしてなの? あたしがお姉さんとよぶ人は、どうして死んじゃうの? あたし、ひょっとして死神なの? あたしが慕う人は、みんな死んじゃうの? 武蔵、武蔵は大丈夫よね? あたしを残して死んじゃうなんて、そんなことしないよね? いやよ、いやよ、そんなの。あたし、もう、耐えられない!」 激しく泣きじゃくる小夜子をしっかりと抱きしめながら「大丈夫、大丈夫だぞ。俺は大丈夫だ。小夜子を淋しがらせることはない。小夜子を幸せにするために、俺はこの世に生まれてきたんだから。前世からの約束ごとなんだよ。心配するな」と、そっと耳元でささやいた。
“我ながら名文句じゃないか。恋する男は詩人になるというけれど、ほんとうかもな” 己のことばに酔う武蔵だったが、小夜子もまたそのことばに酔った。「そうよね、そうよね。武蔵はあたしを幸せにするために生まれたのよね。そうだわ、きっと。前世からの約束ごとなのよ。きっと、前世では結ばれなかったふたりなのよ。哀しい恋のものがたりだったんだわ。神様さまれんびんの情でもって、あたしに武蔵を引きあわせたのよね」 武蔵の胸のなかで、母親にあやされる幼子のように、やすらぐ小夜子だった。
小夜子の黒びかりする自慢の髪をゆびでなでながら、武蔵もまた気持ちがやわらいでくる。どんなにささくれ立った心も、その髪にふれることで凪いでいく。「ああ、そうだとも。『御手洗武蔵は、一生涯、我が妻小夜子を大事にすることを誓います』って、神さまの前で誓ったろうが。この世の誰よりも、俺が小夜子をだいじに思っているんだぞ。このことだけは、なにがあっても忘れるな!」「うん、うん、うん」。 力強い武蔵のことばに、語気つよく発せられたことばに、小夜子の思いがたかまっていく。「たけぞう、武蔵、」となんども声をかけ、そのたびに力強づよく「女神さま、観音さま」と応じる武蔵の胸にからだもこころもあずける小夜子だった。
 抜け殻のような日々を送る小夜子に生気を取り戻させるためにもと、急きょ新婚旅行を武蔵が計画した。そしてその甲斐あって、見違えるように元気になった小夜子だ。“そうよ、そうなのよ。あたしが幸せになれば、それで亡くなったふたりもまた、幸せな気分を味わえるのよ。だって一心同体なんだもの。あたしとアーシアと、そして勝子さんは”

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