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敏洋’s 昭和の恋物語り

恨みます (十七) 

2022年06月27日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「狭くて、ごめんなさい。あたし一人だけなら、十分なんです。バスルームの狭いことだけが、不満といえば不満なんですけど」「1階に、駄菓子屋さんがあったんです。おばあちゃんがひとりで、なんですけど。朝はあいさつだけなんですけど、帰りは店先ではなしこんだりして」「土・日なんか、あたしが店番をしてたんですよ。近所の子どもさんとか、そのお父さんなんかも買い物してくれたりしてくれて」 ひたすら小百合は話し続けた。沈黙が流れることに、恐怖感に近いものを感じ始めた。部屋に招き入れてからというもの、一樹の口数が一気にへってしまった。というより、ひと言も発しなくなってしまった。
 三杯目のお茶を出したとき、「ごめんなさい」。やっと口を開いた。「実は、ぼく、はじめてなんですよ、女性の部屋って。一人っ子なんで、妹も姉もいなくて」
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=====女の素性を徹底的に探れ。家族構成は勿論のこと、家族それぞれの学歴も分かるといいぞ。趣味も調べろ。それから交友関係が大事だ。俺もびっくりしたが、弁護士の恋人がいる女を釣ったことがある。まあ滅多にないことだけれど、とにかく気を付けなくちゃな。もうひとつ、財布だ。一番大事なことだが、金遣いの荒い女は避けろ。上客だと思うかもしれないが、やめとけ。トラブルに巻き込まれる可能性があるからな。まちがいなく、ヤミ金に手を出しちまう。こっちにまでとばっちりがくるかもしれん。=====
「あのお、何か気に障ることでもありました? ……・・」恐る恐る、聞いた。喉を潤した一樹が口を開いた。「ごめん。実は、女性の部屋って、はじめてなんだ。ちょっと緊張しちゃって」

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