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敏洋’s 昭和の恋物語り
恨みます (十六)
2022年06月26日
テーマ:テーマ無し
思いもかけぬ一樹の行動に、小百合はパニック状態に陥ってしまった。からかい半分に小百合にモーションをかけてくる者はいた。しかしすぐに「ジョーダンだよ、ジョーダン!」と離れていく。初対面の相手でも、小百合の正面に回ると、チッと舌打ちをして離れていく。高校時代、クラスメートに言われた言葉が今も小百合の心に突き刺さっている。「整形したら、少しはマシになるかもね……」。(あたしなんか、あたしなんか……)。10年近く経ったいまでも、突き刺さっている。
タクシーの中から見えた、キラキラと光る水面をすべるように泳ぐ水鳥を思い出した。小百合の中に、映画のワンシーン――ベネチアの運河をゴンドラに乗った恋人二人が、ゆっくりと唇を重ね……――が浮かんだ。どうしてタクシーの中で思い浮かべたのか。そしてなぜいま、そのことを思い出したのか。なぜ一樹が、こんな自分にかまい続けるのか、その答えはひとつしか思い浮かばない。しかし、いまはいまだけは、そのことは考えたくない。もしも求められるのならば、喜んでそれを受け入れる。
(あたしの王子さま)。ベッドの中で涙にくれながらも、顔のない王子さまを思い浮かべている。毎夜のお祈りがわりに、(夢に出てもらえれば)と唱えている。それとももう一つのことならば、それも良しとしたいと考えている。いまはただ、一樹がこの部屋にいるということが一番のことなのだ。背中からつたわる体温が、小百合の心音を激しくさせる。(こんなにドキドキして……)。(はずかしい、聞かれたくない)。(でも聞こえてほしい)。そんな矛盾した思いが、さらに小百合を攻め立てる。
「ごめんなさい。あたし、コーヒーとか紅茶、だめなんです。日本茶ですけど、ごめんなさい」 小さな丸テーブルに、ゆらゆらと湯気が立っている。一樹の険しい目が気になるものの、一杯のコーヒーすら出せないことが咎めるものの「冷たい方が、いいですか? 一応、麦茶を冷やしてはあるんですけど」と聞くことしかできない。
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