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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第二部〜 (百八十)
2021年12月29日
テーマ:テーマ無し
「皆さん。お花、ありがとうございます。小夜子です。よろしくお願いします」 深々と頭を下げる小夜子に、一斉に大きな拍手が沸いた。
階段を上がるとき、ふわふわとした感覚に襲われる小夜子。ともすれば階段を踏み外しそうになる。地についていない自分に気付き、武蔵にしがみついて上がった。高揚した己を、叱咤する小夜子。“あたしらしくもない、しっかりしなさい小夜子!”。しかし緩んだ頬は、小夜子の意思を無視している。 武蔵と小夜子が二階の社長室に消えた後、そこかしこで小夜子談義が始まった。「あたし、安心した。何かこう、姉さん姉さんした女性を奥さまにされて、威張り散らされるって思ってたけど」「そうそう。あの、熱海の旅館の女将みたいな女性をね」「小夜子さんでよかったわ」「そうよ! 断然、小夜子さんよ」「でもさ。奥さまって言うより、あたしたちの妹って感じよね」「たしかあのキャバレーで、煙草売ってたんじゃないか?」「そう! 加藤専務の見立てらしい。一目で、社長の奥さんにって思ったらしい」「なんでも、英会話を勉強中らしい。ということは、会社に顔を出してもらえるんだ」 そこかしこで小夜子談義が始まった。「みんな、もういいだろ。仕事だ、仕事だ!」。五平のかけ声が会社中に響き渡った。“なに、この部屋は。何もないなんて、タケゾーらしいわ”と、安堵した小夜子。社員から社長社長と声を掛けられて、当たり前のように応ずる武蔵。至極当然のことなのだが、小夜子には眩しく感じられていた。「タケゾー、殺風景過ぎるよ」「そうか、やっぱり。絵画でも飾るかな?」「社長!」 息せき切って、竹田が入ってきた。「どうした? そうだ、小夜子。偶然なんだが、この男の苗字も竹田と言うんだ」 ぺこりと頭を下げる竹田。「ふうん」と、値踏みをするが如くに一瞥する小夜子。“頼りなさそうな人ね”。これが第一印象だった。「申し訳ありませんが早退させて下さい」 力ない声で武蔵に告げた。一日たりとて休みを取らない竹田が、切羽詰った声で言う。「なんだ、何かあったか?」「はい、姉が……。今連絡が入りまして」「姉さんがどうした? 悪化したのか? 大学病院に移ったんだ、悪くなるわけはないだろうに」「いえ、それが……」「歯切れが悪いな。結核なんて、きちんとした薬を飲んで栄養をしっかり取れば大丈夫さ」「それが……」「おい、専務! ちょっと来い!」 隣に部屋を構える五平を、大声で呼びつけた。会社内では加藤と呼んでいるのだが、それでは小夜子の反応が気になる。「どうしました。なんだ、竹田。どうしたんだ?」 押っ取り刀で五平が来た。「お前、何をやってる! 竹田の姉さんの容態が悪くなったらしいぞ。医者に鼻薬は利かせたんだろうな」「勿論ですよ、社長。たんまりと弾んでありますって」 武蔵の剣幕に、驚く五平だ。事の次第がまるで見えず、困惑してしまった。「実は、入院していないんです。自宅療養しているんです」*年内は、ここまでとします。新年明けは、6日(木)からとさせてもらいます。猛威を振るった新型コロナですが、とりあえず収まっているようですね。このまま収束とは行かないでしょうが、何とか早く効果のある飲み薬が出来上がることを期待したいものです。通常のインフルエンザとなってくれれば、今ほどの警戒心は抱かずに済むでしょうし。ですがこの2年というもの風邪も惹きませんし、何よりも体調の安定が続きました。自分を褒めてやりたいと思います。では皆さん、「良いお年を!」
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