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敏洋’s 昭和の恋物語り
ボク、みつけたよ! (二十二)
2021年12月05日
テーマ:テーマ無し
充実感でいっぱいです。
遂に、歩ききりました。
血の池地獄に着きました。意外なことに、低血糖の症状は治まりました。
たまたま飴玉を持っていたので、早速に口に放り込んで道路に地べた座りというんですか、コンビニの駐車場なんかで女子高生たちがお尻を、でんとばかりに座っているじゃないですか、そんな風に座りました。
そういえば、小学生の頃ですか、運動場でこんな格好で座った記憶があります。
朝礼で校長先生の話を聞きました。なにせ団塊の世代ですから、体育館なんかでは入りきれなかったんじゃないですかね。
ひとクラス50人ほどで、6クラスありましたから。それで6学年です、2000人近い児童数なわけです。
中学時代なんか、凄かったですよ。
こちらはひとクラス55人ほどで、然も16クラスあるわけです。3000人なんて、オーバーにいわれてましたからねえ。
想像できます? 机なんか小さなもので、体の横幅が大きい生徒なんか机の中に足を入れることができませんでしたよ。
教壇間際から後ろの壁までぎっしりです。
机二つずつをくっつけて、何とかかんとかに収まる状態です。
机の横なんか一人通るのが関の山で、机の前後はギチギチでした。
それでですね、一学期ごとに席替えをしたと思うんですけど、くじ引きじゃなかったかなあ。
可愛い女子生徒の左右前後なんか、希望者殺到になっちゃうんで収拾が付かないわけです。
わたしですか? とんでもないです、後ろの方で小っちゃくなってましたよ。
一応、背が高い生徒は後ろの方に回されますから。
実はね、二年生だったか、いや三年生か。
気になる女子生徒が居まして、メガネをかけてたんですけど。どちらかというと、ツンとした狐顔でした。
性格的にもハキハキしてましたね。
そうだな、女性タレントさんで言うなら、江角マキコさんとか米倉涼子さんタイプかな?
その女子生徒と隣り合わせになりましてね、もう緊張しっぱなしでした。
あるとき風邪を惹いちゃいましてね、大変でした。
鼻がグスグズなわけですよ。鼻をかみたいのですけど、それが中々できなくて。
ちり紙(当時はティッシュなんてしゃれたものは使いませんて)を鼻に当てて、音を立てないようにして鼻汁を吸い込ませるわけです。
馬鹿みたいなんですが、音を聞かれたくなかったんです。
成人した後でしたか、偶然に街中で出っくわしまして。
休みの日だったと思いますよ、喫茶店に入リましたから。そこで、先ほどの話が出たわけですよ。
「風邪を惹いてるんだから、しっかり鼻をかめば良かったのに」と言われました。
まさか覚えられていたとは意外でした。
意外と言えば、こんな話が飛び出したんです。
「男性の浮気は許されるのに、男性の浮気は許されないわけ、知ってる?」。
知りませんよねえ、そんなこと。どっちゃにしても、浮気は双方ともよろしくないと思うんですがねえ。
で彼女曰くに「男性の精液の一部が、女性の血管に入り込むわけ」と、受け身だからと解説するんです。
それも唐突にですよ。それこそ目を白黒させましたよ。
なんでそんな話をするのか、さっぱり見当が付きません。
帰り際ですよ、爆弾発言が飛び出しのは。とにかく驚かれっぱなしでした、彼女には。
「あたしね、来年の春に短大を卒業するの」。すこし哀しげな表情だった記憶があります。
「四月に嫁ぐことになるでしょうね。お見合いしたの、あたし。これから式場探しなのよ」
運命的なものを感じるわね、という言葉が合図のように、別れました。
あ、別れたと言っても、付き合っていたというわけではありませんので。
中学時代のわたしは、ある意味暗黒時代でしたから。
人というものに信頼がもてず、友という存在は独りもいませんでしたから。
いえいえ、まるっきりの独りぽっちというわけではありません。心を許せる友がいなかったということです。
ですので、異性を意識しても、思いは押さえつける毎日でしたから。
待てよ、ひょっとして彼女、わたしに気があった?
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