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ほっこり
ショート小話集
2020年04月24日
テーマ:小咄
○ その1
「孫はかわいいなぁ〜」
「同居のお孫さんは男の子だったな。いくつになったんだい?」
「5歳になったけどな、こいつが運動神経が良くてね、幼稚園でのかけっこではいつも一番。将来は陸上選手になってオリンピックに出場してほしいと思ってね、食事も今から気を使っているよ」
「ほ〜う、で、何を食べさせているんだい?」
「足が速くなるようにと、栄養豊富なゆで卵、そして血液さらさらのサバなんかの青背魚を毎日食べさせているんだ」
「それって、足の早い食べ物ばかりじゃないか。それで孫は何と言ってる?」
「それがな、もう、食べ飽きたと言って・・・・腐っている」
○ その2
子「お母さん、見て見て!ほら、この茎の長〜いお花。
綺麗な蝶々が集まって来て、陽の光の中で輝いているよ」
母「あら、本当。お父さんと一緒ね」
父「何でだい?」
母「夜の蝶が寄って来ると、ハナの下長く伸ばして目が輝くのよ」
○ その3
子「お父さん、貨物船てどんな船なの?」
父「食べ物や車など、いろおな物を運ぶ船だよ」
子「じゃあ、クルーズ船は?」
父「人間とウイルスを運ぶ船さ・・はぁ〜(ため息)」
○ その4
子「お父さんに質問。見ざる、聞かざる、言わざるの3匹のお猿さんの中で外国から来て住み着いたのはど〜れだ?」
父「3匹とも中国から来たんだろう?正解は3匹!」
子「ブー、残念でした。正解は聞かざる。帰化したサルだから」
父「なるほどね。それじゃ、お洒落なサルは?」
子「わかんない」
父「お洒落に着飾るだよ」
○ その5
言葉は状況と相手を見て、正しく選んで使わないといけない。
可愛い娘に「君は小悪魔だな」は○
妻に「お前は悪魔だ」は×
意味の取り違いもある
「マイちゃん、お迎えが来たわよ」〜幼稚園の送迎バス
「は〜い、行って来ます」
「お爺ちゃん、お迎えが来たわよ」〜デイサービスの送迎車
「・・・」
(意味が違うんだけどね・・悪気はないのよ、お爺ちゃん)
○ その6
忍者二人が隠れ家で相談をしていた
忍者・甲「合言葉なんだが、『山』『川』はあまりにも古典過ぎてパッとしないから、新しく考えて数種類作ってみないかい?」
忍者・乙「それはいい考えだ。俺が巻物に書き留めておこう」
甲「色んな型がいいな。同義語、対義語とか一つの言葉になるものや連想できる言葉など色々と試してみよう」
乙「よし、やってみるか」
甲「最初は『山』」〜「川」乙
甲「これじゃ、最初はグーみたいだな」
甲「山下」〜「川上」乙・・・・甲「今一だな〜」
:
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甲「鶏(とり)」〜「皮」乙
甲「豚」〜「足」乙
甲「たこわさ」〜「いかの塩辛」乙
甲「関西風」〜「広島風」乙・・・・・(お好み焼き)
:
:
甲「鯉のぼり」〜「桃の節句」乙
甲「桃」〜「尻」乙
甲「尻」〜「餅」乙
甲「安倍川餅」〜「桜餅」乙
甲「あべ」〜「さくら」乙
甲「あべの」〜「魔巣くう」乙
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甲「うさぎ」〜「かめ」乙
甲「噛みつき亀」〜「れんほう」乙
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甲「鬼」〜「嫁」乙
甲「妻」〜「毒」乙・・・甲「字形が似て、意味も理解!」
甲「目の毒」〜「女房」乙
甲「もう止めよう。尻取りと連想遊びになってきりがない」
乙「お後が宜しくないな〜」
二人の忍者の激論は続いた・・
合言葉が何に決まったかは記録や古文書が残っていないので定かではない。歴史の闇の中に消え去ったと言う。
○ その7
「お母さん、お前が作ってくれた布マスクは素晴らしいね」
「私もそう思うわ、お母さん。お洒落で可愛くて、肌触りやフィット感も良くてさ、使い捨ての紙マスクより好きよ。お母さんの思いやり、温かみを感じるわ」
「ありがとう、嬉しいわ。手作りの布の方が紙よりも気に入ってくれたのね。時間かけて作ったかいがあったわ」
「そうだよ。ホントに巧くできているよ
お前の裁縫の腕前はまさしく神業級だ!
『布マスク妻の手縫いは神(紙)凌ぐ』・・・なんてね!」
♪サイモン&ガーファンクル〜旧友/ブックエンド(セントラル・パーク・コンサートより)
https://www.youtube.com/watch?v=6YpK-qrGQrg
ベンチの両端に座る老人をブックエンドに見立てた「ブックエンドのテーマ」〜ポール・サイモンの慧眼が光る珠玉の曲
※ 「国の借金&猫侍」に拍手、コメント有難うございました。
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