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ほっこり
南十字星の恋B〜改訂版
2020年05月31日
テーマ:小咄
南十字星の恋B (5/20の続き)
その日の早朝もすでに男達の漁は始まっていた。
そして、いつものようにお日様がが水平線から優しく顔を出した頃、波打ち際でカヌーを漕ぐ娘の姿もあった。
長い黒髪にはハイビスカスの花、小麦色した素肌、黒い瞳
その名はカレナ
南洋育ちは成長が早いと言われる。
まだあどけなさが残ってはいるものの、ヤシの木陰、鮮やかな花飾り、そして潮騒までもが彼女のためにだけある存在と言っても過言ではない、そんな南国美人こそがカレナだ。
青い空と緑の島、そして紺碧の海が造り給うた麗しき乙女としか言いようのないオーラに包まれていた。
恋しいオルトがいるポロ島へどうしても行ってみたい。
だけど、今の技量では海峡を渡ることはできない。
これまで、ひとりでカヌーに乗って遠くまで行ったことは一度もない。幼い頃より友達と近場で遊んだことがある程度に過ぎなかった。
でも、オルトとは彼が漕ぐカヌーでいっしょに島の周辺を回って楽しい想い出をたくさん作った。
浅瀬でいっしょに泳いだり、珊瑚礁の広がる沖合いではオルトが素潜りして貝を集めてくれたりもした。
色とりどりの熱帯の魚達が目を楽しませてくれる。
エメラルドグリーンの海がふたりの恋を育て、そして見守ってくれたんだとカレナは懐かしく思った。
無謀なことを決してしないカレナはまずカヌーの練習をし、カヌーを操ることに自信がついたらポロ島まで行こうと決めていた。
カレナが使っているカヌーは細長い3人までは乗れるもので、その船体の片脇からは2本の腕木が伸びていて、その先端に浮子(ウキ)の長い木がそりのようについている。
船体と平行してバランスを良くするための浮きがついている南洋ではポピュラーなカヌーだ。
男達が漁で使う大きなカヌーには三角帆がひとつ備わっていて、凌波性が高く速度が出る仕様になっている。
カレナは早朝と日没前の2回、連日カヌーの練習をした。
最初は浅瀬で浜辺と平行に、そしてある程度慣れてくると岬までの往復とコースに変化をつけてみた。
そんな練習を始めてしばらくしたある日のこと、少し沖合いに出たとき数頭のイルカ達と出会った。
イルカ達はカレナのカヌーと並んで泳ぎ始めた。
楽しそうに遊んでいるように見えた。
カレナがオールを置いてカヌーを止めると、イルカ達も泳ぐのを止め、船べりから頭を出してカレナをじっと見る。
カレナはにこっと微笑んで水面を撫でて挨拶をした。
カレナとイルカはすぐに友達となった。
その日からカレナがカヌーを出すと必ず同じイルカ達が集まってくるようになった。カレナが手を伸ばして頭を撫でてやると嬉しそうに啼いて喜んでくれた。
イルカは全部で4頭。
サン、ミナ、ルナ、ジンと名前をつけ、頭を撫でてやる時には優しく声をかけた。
カレナのカヌーの練習はしばらく続いた。
一方のオルトはその頃どうしていたのであろうか。
村おさを引き継いだ父や家族と一緒にポロ島に渡った彼の生活はこれまでとは一変していた。父の仕事の手伝いで治水土木、安全管理、住民の生活全般など幅広い仕事をこなしていた。
父が首長なら彼は行政官のようなものと謂える。
仕事が終わり、日が暮れる頃になるとカレナとの約束の焚き火を始めた。焚き火と言っても小さなものではカレナのいるハルム島からは到底見ることはできない。
そこで彼はサンゴの大きな岩とヤシの丸太を組み合わせて、人の背丈はあろうかという大きな灯台を作った。
大きな枯葉や木々を集め、焚き火と言うにはかなり大掛かりなものだ。島民の間でもこのことは有名になり、子供達までもが火種となるものを集めてくれるようになっていた。
この焚き火はカレナへの合図と同時に近くを通る船の為の灯台としても貴重なものとなった。
さて、カヌーの腕前をあげたカレナがいよいよポロ島へと漕ぎ出す、その時を迎えた。
・・・続く
♪ Eric Clapton 〜 Over the Rainbow(英詞)
https://www.youtube.com/watch?v=iwlFTYT2Fdw
いつ見てもクラプトンのステージはお洒落ですねぇ。有名なアルバム「アンプラグド」のメンバーも参加しています。
※ パロディ小話「すずめのお宿」(5/27)に拍手・コメント頂きありがとうございました。自身としては最近書いた小話の中では一番納得のいくものだったと思います。とは言え、面白かったかつまらなかったかは読まれた方の自由です。体調がいい時には小話が書けますが、良くない時は書けません。従って、我が体調のバロメーターとなります。次は何を書きましょ?
※ 画像はネットヨリ
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かをるさんへ
コメントありがとうございます
ロマンティストでしょうかねぇ、よくわかりませんが
乙女座でマタニティ腹した、見た目は歳よりいつも若く見られるアホなおっちゃんです(^^;)
クラプトンみたいには弾けませんが、ギターだけは長いこと弾いています。
彼みたいなナイス・ミドルになれたらな〜といつも思います。
有名なところではサイモン&ガーファンクルなどフォーク調なものから黒人ブルースまで
幅広く聴いています。J−POPには興味がありません。それなら昭和歌謡の方が断然いいです!
2020/06/01 00:58:06
可愛い恋物語
こんばんは〜
ぼてふりさんは優しくてなかなかのロマンティスト
いつまでも心の若さを持たれてますね!
見目は60歳代
でもその心は、10代?
2020/05/31 23:53:48
めぐりん*さんへ
コメントありがとうございます
そうですね、彼女は慎重な性格ですからカヌーの練習を必死でおこないました。
これで大丈夫と納得できたら、いざ彼のいる島目指して漕ぎ出せ!何事もはっきりとした目標があればできるのかもしれませんね。
・・・・・
カレナは通販で筋トレマシンを買い、肉体改造にも励み、ついにはライザップ顔負けの筋肉質な体に生まれ変わった。
しかし、磯の岩場でトレーニングをしてた時にヘマをやらかした。岩から滑って海に足をついた時、そこにはフジツボが「おっ、いて〜」足を置きなおしたらウニが「痛ぅ〜!」
たまらず海に倒れこんだ。しかし、そこにはたくさんのクラゲ・・。顔から足先まで刺されまくってしまった。
顔は妖怪の如く腫れ上がり、体も真赤に水ぶくれ、美脚も腐れ大根のようになってしまったのだ。
哀れカレンの容姿は変わり果ててしまった。
あんなに仲良しだったイルカ達もプイと知らん顔。
「あ〜こうなったら、焚き火男のオルトも道連れじゃ〜」
髪を振り乱しながらカレナは漕ぎ出したのであった。
2020/05/31 22:48:23
フレーフレー♪ カレナ!
こんばんは。
やはりカレナは自主トレで筋肉強化を遂行して
いたんですね。
待ってるだけの女じゃダメなのですわ 笑
イルカを従えて波をかき分け、勇ましく美しい
カレナは、彼氏の元へ向かう・・
デッカい焚き火台を作ったのは偉いけど
オルト君にはちともったいない位の女子です。
なーんて、ロマンチック感ぶち壊して
ごめんなさーいε=ε=ヘ(;゚∇゚)ノ
2020/05/31 21:47:37
宏子さんへ
コメントありがとうございます
そうですね〜これまでの流れで書き進めたいと思います。
書きながらいろんなアイデアが出てきますから、当初予定していなかった話も入り込んでいます。
筆の走るまま気の向くままです(^^)
2020/05/31 15:35:59