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パトラッシュが駆ける!

老いを戒む 

2019年03月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

高齢運転者による交通事故が、跡を絶たない。
病院の待合室に、車が突っ込んだ。
車止めを乗り越え、スーパーに飛び込んだ。
歩道を暴走し、歩行者を次々とはねた。
なんていう、事故のニュースを見て、多分……と思いつつ、
運転者の年齢を見ると、やはりだ。
七十代、八十代、時に九十代なんてのがある。

万引き犯にも、高齢者が多いと、知人が語っていた。
彼は、さる食品スーパーの店長をやっている。
「男も女も居ます。自分の親と同じ年頃なので、
捕まえる度に、情けなく、そして、哀れになります」
持ち家もあり、経済的にも、困窮しているようには見えない。
それでも盗む。
そういう病気であるとしか、言いようがない。
と語っていた。

名古屋城の近くで、植樹されたばかりの
「家康梅」が盗まれたとか。
この犯人が、やはり高齢者。
堂々と引き抜き、堂々と持ち去ったから、見ていた人は、
係員かと錯覚したらしい。
梅の苗木なんか、植木屋で買えば、いくらもしないであろうに、
何故盗むのか。
ついふらふらと……の出来心だと思われる。
自身を制御出来ない。
罪悪感が薄れる。
それはつまり、精神が幼児に戻った、ということかもしれない。

 * * *

私は、父の代理でもって、比較的若い時から、
業界の集まりや、商店街の会合に、顔を出していた。
そこで見る先輩の方々は、皆、賢く見えた。
知恵があり、分別を弁え、良識というものが、
備わっているように見えた。
私も、歳を取ったら、彼らのようになれるであろうか……
自信がなかった。

やがて、商店会の役員になった。
広報の任務を仰せつかり、チラシの文言を考案したりした。
ちょっと気の利いたコピーを入れ、独自色が出せたかと思う。
私は次第に、集団の中の自分、社会の中の自分というものに、
自信が持てるようになった。

歳を取るにつれ、わかったこと。
それは、年長者だからとて、必ずしも賢者ばかりでない。
それどころか、器の小さい、底の浅い人物も、少なくない。
ということであった。
それは、どの世代を切り取っても、同じこと。
高齢者だからとて、一括りには、尊敬できないということだった。

そもそもが、誰だって、高齢者になれる。
生きてさえいれば……の話だが。
そのこと自体、偉くも何ともない。
人に優れた、業績を残せたかどうか……
人から敬愛されるかどうか……
そこが問題だ。
我が身を振り返り、内心忸怩たるものがある。

 * * *

ああいう年寄りにはなるまいぞ……と思わせられる例が、
世に少なくない。
その陥りやすい例として、ゴミ屋敷がある。
物を惜しむあまり、何でも溜め込んでしまう。
本能の赴くまま……であるかもしれない。
彼または彼女には、既にして、自制心と判断力とが、
失われていると思われる。

私道上に物を置き、他人の通行を妨げる者が居る。
「ここは、俺の土地だ。勝手に通られて、たまるもんか」
と、その言い分は、大概決まっている。
通行人への嫌がらせが高じ、とうとう逮捕されてしまったりする。
利己に固まり、他に対し寛容になれない。
きっと、その心は、柔軟さを失っているのであろう。

利殖話に乗り、大金をだまし取られる例も、跡を絶たない。
この低金利の時代に、年利20%もの利息がもらえる。
それだけで十分に怪しいのに、さながら甘い蜜に、
おびき寄せられた、虫のように、まんまと捕えられる。
彼のその被害額、三千万円とか。
唖然として、声も出ない。
その言うことにも、驚かされる。
「老後の備えを、少しでも増やそうと思ったものですから」
あのねぇ……
三千万もの金、増やすより、使うのが先じゃありませんか……
とこう言いたくなる。

理解に苦しむ高齢者が多い。
多過ぎる。
私が、かつて、年寄りに対し抱いていたイメージ、
あれは何だったのだろうか……
と思わせられる。

運転免許だってそうだ。
何時かはこれを、返上せざるを得ない。
事故を起こしてからでは遅い。
己の利便にこだわるあまり、もしも前途ある若者を傷つけ、
死に至らしめてしまったら、悔やんでも悔やみ切れまい。
「見切り千両」
人生には、これが肝心であると思われる。

と書いて来て、エライ人を思い出した。
フィリップ殿下、大英帝国女王陛下の夫君であられる。
九十七歳であられるそうだ。
それが、つい先ごろまで、車を運転しておられた。
事故を起こし、多分、不承不承であろう、この二月に、
免許を返上されたとか。

世界でも最も、運転など、やる必要のないお方が、
その高齢をも省みず、車を乗り回しておられた。
「このくそったれ!」
運転していたのが、フィリップ殿下と気付かず、
駐車違反の切符を切ろうとした、警察官に対し、
彼が、こう怒鳴ったとも伝えられている。
こうなると、もう手の付けようがない。
理性も礼節もない、ただのごろつき老人が、そこに居る。

私は、自分も高齢者のくせに、最近とみに、
同族への嫌悪が、甚だしくなっている。



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残念な現実です

パトラッシュさん

漫歩さん、
仰る通りだと思います。
核家族化に伴い、家族からの、適切な助言を得られなくなった。
勧告、警告する者とて、居なくなった。
それで独善に奔る。
そこに、個人主義の風潮が輪をかけている。
と言う風に、私は見ています。

私も同様に、悲観的にならざるを得ません。

2019/03/30 18:18:51

何をおっしゃいますか

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
貴女については、戒めるところなんか(自戒他戒共に)まったくありません。
反省なんか、しないで下さい。
若い人の、目標であり続けて下さい。

問題は「人様に迷惑をかけない」この一点であります。

2019/03/30 18:14:29

核家族化が齎したもの

漫歩さん

問題のある年寄りは昔も居ましたが、総じて知恵があり若い世代を支えていました。

しかし現状は仰る通りです。

何故こうなっていったのか。

核家族化により家族関係が希薄となり、老老生活を余儀なくされた孤独が遠因にあるように思います。

この問題に関して私は悲観的で、この先拡大してゆくと思っています。

2019/03/30 12:10:36

自分は見えない・・

シシーマニアさん

気持ちの方は、年を取るのがゆっくりなのでしょうか。
感覚的に、20〜30才位若いつもりで居るのに、時折気付いて愕然とする事があります。
容姿も、自分にだけは見えませんし・・。

私も頑張ろう、等と無意識に思ったりします。
若い人達を、支えて行くべき年齢なのに。

リタイヤというのは、何処の社会にも必要ですが、自分に意識が無いと、難しくて・・。


日頃反省していることを、まとめて戴いた思いでした。

2019/03/30 09:26:39

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