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独りディナー
中村勘三郎七回忌追善公演
2018年10月23日
テーマ:趣味
久々の歌舞伎座。
その日のランチは、娘と待ち合わせて、今開催中の恵比寿祭りのお店へ行った。
恵比寿祭り、とはご当地界隈のレストランが参加してで、9月半ばから10月末まで続く、お祭りの名前なのだとか。
「ヱビス・セット」を注文すると、それぞれのお店の一品にヱビスビールが付いて1000円、という楽しい企画らしい。
毎年、娘夫婦は60箇所ほどの参加店を、出来るだけ沢山回るのを楽しみにしている。
今回も、初日のランチと、最後の夕食はお婿さんと共に連れて行ってくれた。
祭りのベテランである彼らは、規定の値段では引き合わない様な、充実したお料理のお店を知っているのだ。
そういった高級店は、祭りには参加しているけれどで、メニューにも乗せず宣伝もしていない。
そんな、知る人ぞ知る、のお店を回るのが、娘達の遊び心を刺激するらしい。
ランチで、美味しいビールをご馳走してくれたので、歌舞伎が始まる頃には、眠気が襲ってくると困るし、歌舞伎座に着いてから、熱いコーヒーを飲んだ。
そして、開始前に座席に座った私は、隣の隣の席の女性を見てびっくり。
何と、名古屋の知人なのであった。
今月は、勘三郎丈に縁のある演目で、息子さん達が大役に挑み、仁左衛門や玉三郎が脇で支える、という感動的な舞台が毎日上演されている。
「吉野山」を、勘九郎と玉三郎。
カーテンコールを叫びたい程の名演であった。
そして、仁左衛門の助六に七之助の揚巻。
これこそ、圧巻であった。
七之助の、最近巷で言われている美しさに加えて、その台詞回しの貫禄。
環境なのか、DNAなのか、それとも偉大な父を失った息子の覚悟なのか。
私にとっての助六は、仁左衛門の襲名公演で初めてみた舞台である。
揚巻は、玉三郎。
白酒売りは、菊五郎であった。
海老蔵の襲名公演では、揚巻がやはり玉三郎。
絶世の美女が、花道を出てきて、背中を反らせて振り返る瞬間、歌舞伎座の空気が凍り付いた気がした。
ちょっと忘れられない、場面である。
その時の白酒売りが、亡き勘三郎。
助六は、色々な記憶が交錯する、味わいのある舞台である。
しかし今月は、海老蔵が大阪、菊五郎は名古屋で公演中なので、役者の顔ぶれはいささか寂しいものではあった。
延寿太夫が、吉野山の舞台でうたっていたのは、嬉しかったけれど、考えてみれば彼は勘三郎の従弟なのだから、当然だったのだろう。
終演後は、友人達と銀座のライオンで一杯。
こうして、私の東京滞在の一日目は、暮れていった。
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七之助
六年前の、父の死を境に、七之助は、一皮も二皮も剥けたような印象を受けます。
そこに「覚悟」が働いていることは、言うまでもありません。
もちろん、DNAと相俟ってですが。
玉三郎の後に、女形の首座を継ぐのは、七之助か菊之助か……
「兄(けい)たりがたく、弟(てい)たり難し」とは、この二人のことでしょう。
「ライオン」は、銀座に数店ありますが、Ginza six(旧松坂屋)隣の、ライオンビヤホールが、古き良き時代の雰囲気を残し、私は一番好きです。
心なしか、ビールも美味いような気がするのです。
2018/10/23 09:58:31