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敏洋’s 昭和の恋物語り

えそらごと (十) 

2018年08月07日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「いいわよ。但し、私も連れてってよ。
そんな怪訝そうにしなくていいの。
私だけじゃなく、もう一人いるの。
新入りの真理子ちゃんもよ。
一人では恥ずかしいから、三人でのデートをしたいんですって。
この、色男が!」

 突然のことに何と返事をしていいのかわからず、ただドギマギして口ごもってしまった。
「じゃあ、明日十時に会社の駐車場ね。
そういうことで、キマリ!」

 一方的に取り仕切られて終わった。
自分の行動を他人に仕切られることを極端に嫌う彼だが、今回は違った。
自分の決断ではなくても腹が立たない。
すでに頭の中では、明日の走るコースを色々と思いめぐらせていた。

真理子という娘は、一週間ほど前に入って定時制高校に通っている。
定時よりも早い五時に退社し、自転車を駆って通学している。
入社初日に自転車の都合が付かず、手の空いていた彼が車で送ることになった。

 むっつりとした表情を見せながらの、十分間ほどのデートになった。
真理子は「すみません」と少し掠れた声を出し、申し訳なさそうな顔付きを見せた。
彼はといえば「仕事の内だから」と不機嫌な声を出しつつも、口元が緩んでいる。

目がくりくりとしていて少し団子鼻のところが彼には可愛く見える。
おちょぼ口なところも愛らしく感じる彼だ。
親元を離れての集団就職で、今年十六歳になっている。

初めの職場では人間関係がうまくいかず、学校の斡旋でこの会社に入ってきた。
社長令嬢でもある貴子がお姉さん代わりに何やかやと世話を焼いている。

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