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ラフな社交 

2018年01月26日 ナビトモブログ記事
テーマ:カナダ

パーティが始まるまで、ロビーで思い思いの人を相手に雑談をした。

普通は、大抵飲み物が出てくるのだが、ロビーだった故か、その時は只おしゃべりをした気がする。

勿論私は、全員が初対面である。

そのパーティの特徴は、自己紹介の後に、此処は何番目の国ですか、と訊かれるのだった。


会食時には、大きな丸テーブルがどのくらい並んでいたのだろう。

100人くらいは居たのかも知れない。


私のテーブルの正面に、日本人らしい奥様が座っていた。

隣の席の夫人は、フィンランドから来たばかりだ、と言っていた。

知的な雰囲気の人で、カナダのことを色々学んできたらしい様子だった。

私が自己紹介でピアニストだと言うと(日本語だと口幅ったい事も、英語だとすんなりと言葉が出てくるのは不思議である)少し前にフィンランドのピアニストがオタワで演奏会をした話になって、

「私の家で、レセプションをしたんですよ」と言っていた。


素朴そうに見えるけれど、さすが社交的なんだなぁ、と思ったその人は、後で名簿を見たら、着任したばかりのフィンランド大使夫人なのであった。

会も終わりに近づいた頃、正面の日本人が英語で話しかけてきた。

「オタワにいらして、どのくらいですか?」

「二ヶ月半です(two and half months)」と答えたのだが、ちょっと遠かったせいで

「二年半ですか・・」と、知らない顔だけど、と言った風な意外そうな表情をしていらした。

どうやら、そのパーティに出席するには、それなりのランクが要求されているらしかった。


又々私は、オタワの日本社会を素通りして、社交界の一端に勝手に足を踏み入れたようだった。


そんなことは知らないパオラは、今度は「スノーシューイングの会」に誘ってくれた。

カナダでスキーの話になるとと、ダウンヒルかクロスカントリーか、と訊かれた。

平面の雪の上を、スキーを履いて歩いて行くのも、競技としてだけではなく、楽しむスポーツらしい。

そして、スノーシューイングは、その平面をスキーの代わりに、かんじきのようなスノーシュウズ(雪靴)を履いて、森の中を歩くのだ。

大抵、何処かの国の大使公邸に集まり、そこで雪靴を履く。

一時間か一時間半位、思い思いの人と組んでおしゃべりしながら歩くのだ。

危険なことはないし、外を歩いた後の爽快感で寒さも気にならない。

公邸に戻ると、気軽にティー・パーティで、もてなしてくれた。

第三世界といわれる国の大使館の雰囲気は、格式が高そうに見えた。

そして、参加者の中には同胞の顔は、見えなかった。

後にパーティで出会った日本人は、大使夫人だけだったから、やはり私は横入りだったのだろう。


*下の写真は、旅行会社の案内写真をおかりしました。
こんな雪の中を歩く会が、スノーシューイングでした。



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言葉が不自由だから

シシーマニアさん

コメントありがとうございます。

こういったお騒がせは、言葉の不自由さがなせる技だったのでしょうね。

周囲の常識をよそに、楽しんでしまいました。
長く居れば、それなりに自己規制する様になったのかも知れませんが、私の中には一年限り、という意識が強かったのです・・。

2018/01/26 23:25:49

社交界素敵だわ。

四つ葉さん

続きを早速読ませて頂きました。私の知らない世界、社交界ですね。シシーマニアさん素敵!本当にワクワクしました。シシーマニアさんピアニストなのですね。知的な雰囲気と堂々さ素晴らしいです。なんかパワーもらいました。ありがとうございます。

2018/01/26 22:16:51

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