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日々是好日
生活と文化
2017年02月21日
テーマ:テーマ無し
「燃えない電池に挑む!」竹田忍著について
著者竹田氏は日本経済新聞編集委員。。69歳からの起業家・吉田博一氏は元住友銀行副頭取、元住銀リース社長で、エリーパワーを創業、現在も日夜、現役社長として安全な蓄電池に思いを託し頑張っている。
最近この本が贈られてきたので、吉田氏をよく存じ上げている関係もあり、早速読ませていただいた。慶応大学の学内ベンチャー(電気自動車ルシオール・プロジェクト)の資金調達を支援されていた頃、いろいろご本人からもお話を伺いうことがあった。電気自動車の開発からバッテリー(蓄電装置)がこれからの世の中を変えるキーデバイスとの考えに至り、2000年にエリーパワーを創業、現在川崎、京都に工場を建設、定置用蓄電システム、二輪車始動用バッテリのリチューム・イオン電池の供給を行っている。また、今後は電気自動車の市場も視野に入れているという。
著者竹田氏は職業柄、エネルギー関連の取材を通じ、太陽光発電やリチュームイオン電池に詳しい。最近ではサムソンの携帯電話が発火事件で世を騒がせ、又これまでの電池の開発において、爆発事故が致命的であったことから、「燃えない電池」の開発で、オリビン構造を持つリン酸鉄リチュームを正極材に利用した。私には技術的なことは理解できないものの、これまで電力は発電により生産できるが、有効な蓄電装置がないため供給過剰の状態がやむなくされてきた。したがって安全な蓄電池の重要性、役割はよく理解できる。
環境面からも、安全な蓄電池の開発とその経済性がこの新市場のカギとなる。電気自動車の開発では米国ステラ・モーターが一歩先んじているが、パナソニックはステラ・モーターと共同でリチューム・イオン電池の開発に米国で巨額投資を行っている。電気自動車の運行をサポートする新技術の安価な蓄電池を供給できるところがこの市場を支配することになる。エリーパワーがその勝者となるかどうかは誰にも分らない。しかしその市場にチャレンジする起業家精神には脱帽したい。日々是好日。
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