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シャガールの天井画 

2016年10月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:シニアライフ

今、一番見て楽しい画家は、シャガールだ。

幸い作品数が多いので、実際に見る機会は結構ある。


一昨年の春だったか、シャガールのデッサン展を見に、静岡の美術館へ行った。

毎日読んでいる日本経済新聞に、毎週のように広告が載っていたので、たまらなくなり新幹線に乗ったのだ。


パリオペラ座の天井画の、デッサン展であった。



実は数年前、パリへ行った際、この天井画が見たくて、オペラ座でのバレー公演のチケットを予約したのだった。


できれば、オペラが見たかったけれど、パリのバスティーユに新しいオペラ座ができて以来、このガルニエ宮と呼ばれる古いオペラ座の方は、バレーの公演が中心になっているそうだ。


でも実際に見上げた天井画は、全体の豪奢な雰囲気を盛り立てていたけれど、緞帳のように近くで見られるわけでも無く、ちょっと期待外れではあった。


だが、当日の公演は、ローラン・プティの「若者と死」を含む三舞台で、余り下調べもしなかった私の様な素人にも、その素晴らしさは充分解った。


パリの街を歩いていると、至る所でそのバレー公演のポスターが目に付いた。

話題の舞台だったのだろうか。


それは、振り付け師のローラン・プティが、亡くなる少し前だった。


バレーといえば、ウィーンのオペラ座で何度か観たことはある。


かのヌレーフの出演する「白鳥の湖」も観たけれど、若い頃は余りその価値はわからなかった。


でも、年齢を重ねてから観た、パリのオペラ座では。

素人目ながら、登場する一人一人の、その技術の高さに圧倒された。

切れが良い、等という感想の言葉を使うのは、恐れ多い感じさえした。


そして、ローラン・プティが振り付けした代表作の「若者と死」

バッハの名曲、「パッサカリア」にのって進行していく10数分のその舞台は、なんとも言えず不思議な眺めであった。


マチネーだったので、舞台がはねてまだ明るい戸外に出た時は、何だかちょっとほっとしたような気がした。

逆に言えば、それだけ引き込まれていた、とも言える。


それは、主人のお供でニースに暫く滞在した後、一人残ってパリで数日間過ごした時であった。


毎日、特に当ても無く街を歩いていた。


響きが良いと教えて貰った教会のミサに参加して、オルガンを聴いたりもした

ルーブル美術館で、ダビンチのヨハネ像の前に居座った日もあった。


その一環として、ローラン・プティ体験をしたのだった。


そして、本物とは、相対的なものではなくて、絶対的なものであり、受ける側に知識が無くても伝わってくるものだ、とつくづく思わされた舞台であった。


まさに、パリという街自体が、文化の本物、として君臨している気さえしたのだった。




静岡で見たシャガールの天井画のデッサンは、床面いっぱいに広げられて展示されており、殆ど人の居ない美術館で、ゆっくり近くから見ることができた。



パリの町並みがまずあって、其処に有名なオペラの舞台が、ふわふわと飛んでいる様に描かれている、いつもながらの幻想的で夢の様な世界が、繰り広げられていた。


暫く見ているうちに、沢山のオペラ作品の中に、プッチーニの歌劇が無いのに気づいた。

「ボエーム」や「蝶々夫人」、「トゥーランドット」など、数々の歌劇場を沸かせたイタリアの作曲家プッチーニを、シャガールは認めていなかったのだろうか・・。

他に誰も居なかったので、図々しく学芸員さんにちょっと質問してみた。


暇そうにしていたその人は、親切に色々資料を出して調べてくれた。

まあ、結局その点に触れている箇所は残念ながら見当たらなかったけれど・・。



館内にある、短いフィルムを見せる場所では、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」がBGMとして流れていたり、その日はとても豊かな気分になって、のんびりと帰りがけにポスターを眺めていると・・。


この企画展は全国を巡業してるらしく、次の開催地はなんと、

名古屋なのであった。


オーイ、日経新聞!



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ローラン・プティ

シシーマニアさん

ヌレーフの名古屋公演の話は、こちらの友人から聞いていました。

マーゴ・フォンティーンとの共演だったのですか・・。

ウィーンでは、10年位前(もっと前か・・?)に行った時の「白鳥の湖」の振り付けは、まだヌレーフ版のままだったのは、嬉しかったです。


歌舞伎もそうですが、楽しみにして久々に出かけて行って、舞台が全く違う演出になっていると、がっかりしますよね。


ローラン・プティって、私はその時に初めて知りましたが、Wiki によると、ピカソばりの容貌の人なのですね。

2016/10/13 19:43:07

あらあら

さん

せっかく静岡まで行ったのに!
でも、いろいろなことを思い出されたのですね。

私にとってはローラン・プティも懐かしい名まえ。

ヌレエフですが、亡命したばかりのころ、マーゴ・フォンティーンとの共演を名古屋にいたころに観ました。

あの独特の表情で、でも若々しく、長めの髪が挨拶するたびに顔に垂れ下がるのを、アゴ先を上げては後ろへ振り上げていた仕草が今でも目に浮かびます。

2016/10/13 16:03:02

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