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米国でとった、運転免許 

2016年07月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:アメリカ

自動車社会ができあがる以前にできた街、とはいえアメリカである。

どこへ行くにも、自動車は必要であった。

当時、日本で免許をとるには二つの難関があった。

一つは教習所での、高い料金設定。そして一つは、教員の高ぴしゃな態度。


アメリカに住む事が決まった際、私はこの機会に免許を取ろうと思い立ったのだ。


この免許取得談義は、35年位前のことだし、州によって色々異なるらしいから、単なる私の経験談に過ぎないのだが・・。



様子を調べてみると、まず筆記試験を受けに行く。確か予約もせずに行ったと思う。


筆記試験に通れば、4週間以降だったか、実技試験を受けに来なさい、とその時初めて日時の予約をした。


筆記試験に合格すれば、「州が発行した運転免許持参者の同乗付き」という条件があるものの、公道を走る資格ができるのだ。

実技も、独学でどうぞ、と言う事であった。


まず、主人が着いてすぐ、免許を取った。

いずれ、私の独学時に、同乗者として州発行の免許を持つ必要があったから・・。


国際免許を持って居るのだから、筆記試験のみかと思ったが、実技試験まで要求されて、主人は不満そうだった。

狭い道路満載の東京で、10数年間毎日運転してきた、プライドもあったのだろう。


因みに、米国で取得した私が、帰国時に国際免許に書き換えて、日本で手続きをした際には、単なる書き換えで済んだのだった。


今は知らないけれど、これは余りの落差ではないだろうか・・。



さて、私が試験を受けたのは、翌年の春の終わりだった。

何故、何ヶ月もかけたか・・。

一つには、初めての冬を迎えた際に、結構積雪がある事がわかったので、運転をするのは、春になってからに決めたのだった。

そして更に、簡単な運転法規といえども、外国人の私にとっては、一冊覚えるとなると、結構時間を要したのだった。


同じアパートに住んでいた日本人の奥様が、代々伝わっている筆記試験のサンプルを、私にも見せてくれた。


「これだけ覚えていれば大丈夫」といった30問位の問題が書いてあったのだが。

でも、私は不器用だし、幼い二人の子供も乗せるわけだから、やはり山をかけるのは止めて、一応一冊覚えたのだった。


さて、早い頃から、公道は無理だけど、キャンパス内には広い土地が沢山あるので、事前に実技の練習も始めた。


夏時間になっていた頃だった。


主人が仕事から帰ると、おやつとジュースを持たせた子供達を、後ろの席のベビーシートに座らせて、連日練習をした。


いろいろな人から、実技試験は、まっすぐバックができて、縦列駐車ができれば良い、と聞かされていたので、もっぱら縦列駐車の練習をした。


我が家のボロ車は、ステーションワゴンなので、とにかく大きい。

車の前に立った写真を見た人が、「まるで、ヤーさんが乗っている車みたい」と手紙に書いてきた程、日本で見れば凄い外車である。


その車で、後ろに幼子を二人乗せて、縦列駐車の練習をした。

フットボール競技場の側に、大きな駐車場があって、もちろん普段は使ってないから、そこで練習をした。

主人が誰かから聞いてきた情報で、縦列駐車の練習用に、大きなドラム缶に砂を入れて、其処に棒を突き立てて、その棒を隣の車と見立てて練習する、という場所があった。

さすが、実技運転独学が常識の場所だ。

通常若い人達は、母親が同乗して練習するらしい。

主人は、若いときから車には慣れているので、「これは自分の感覚で覚えなければ駄目だ」の一点張り。

主人にしたら、子供も含め全員の命が、私のアクセルとブレーキにかかっているのだから、生きた心地もしなかっただろう。

只でさえ口数が少ないのに、「違う!右、右!」と吐き捨てるように言う。

すぐ頭に血が上る私は、「別れてやる!」と何度思ったかしれない。

だが、「いや、別れるにしても、まずは免許を取ってからにしよう」と思い直す。


あるとき、知人の日本人が通りかかって、細部はよく覚えてないけど、

「これは、まず60度位まで車を曲げてバックしていき、横の窓のこの辺に、あの棒が見える場所まで来たら、一気に深く曲がって、その後ゆっくりバックすると良いですよ」と、教えてくれた(記憶が曖昧だけれど)


まるでそれは、○○の声のように聞こえたなあ。


大体実施で、縦列駐車などする予定はないから、試験にさえ通れば良いのである。

しかも、実技試験は、自分の車で運転して受験するのである。


それからは、要領が解ったので、無事免許取得することができたのだった。


実技試験は、会場の敷地内に試験用のコースがあった。


踏切も形ばかりのがあって、其処を通る前には、左右をよく見て(その州では、一時停車しなくても良かった)ゆっくり渡り、無事縦列駐車もクリヤ。

確か、かかった費用は2000円程度。


別れ話もどこへやら、やったぜ〜、の気分だった。


そして、その秋からは、娘がナーサリースクールと呼ばれる、プレ幼稚園に通ったので、晴れて毎日送り迎えをすることができたのだった。


しかし、街全体が、人通りも少なく、車は大抵駐車中なので、運転したと言っても、遊園地の車を運転したに近いところがある。


日本に帰ってからは、東京の郊外で数年間、初心者マークをつけて、おっかなびっくりハンドルを握っていた。

そのうち、子供が成長するにつれて、自然にペーパードライバーと化していったのは、言うまでもない。



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大陸を走るのは、壮快ですか

シシーマニアさん

ウィールマンさん、コメントありがとうございます。

私たちの世代で、マイカーを持って居る学生なんて、さぞ目立ったことでしょう。隣に座りたがる女の子にも不自由しなかったでしょうね。
当時では、まるで、アメリカのテレビドラマの情景ですよ。

車をかっ飛ばすのがお好きなら、アメリカは楽しいでしょうね。映画でも、カーチェイスが頻出するお国柄ですものね。かえって道が広くて物足りないくらいでしょうか。
バイクの運転の方が、遙かにチャレンジ精神を満足させてくれるのかしら。

因みに私が試験を受けたときは、一応パスしましたが、走るスピードが遅すぎて減点されたそうです。

2016/07/08 13:13:16

シシーマニアさん

ウイールマンさん

18歳になったとき、高い授業料を払い、教習所に行きました。
大学生の時、道楽息子の端くれとして、親に車を買ってもらいました。東京都内の道を、横に女の子を乗せて走り回りました。

そしてカーレースに凝り、レースライセンスを取って、富士スピードウエイをかっ飛ばしました。

運転には、絶対の自信はありました。

アメリカに来て、カリフォルニアライセンスを取るため、試験を受けました。

筆記試験は問題なくパス。

実地試験は問題ありで ”You failed" と言われ、落ちました。

試験官曰く、試験中に、スピード違反をしたそうです。

以上です。

2016/07/08 06:07:38

車好きの人は、別人種だと思っています

シシーマニアさん

喜美さん、今晩は、

車は便利ですけれど、一つ間違えば凶器になってしまいますから、運転手さん付きが、最高ですよね。

「結婚するまでは運転せずでした
不思議 息子は運転しました
差別ですね」
ちょっと、笑ってしまいました。

2016/07/07 21:01:02

外車の観念が、逆でしたから・・。

シシーマニアさん

藤の花さん、
私は自動車の事は見た目しか解りませんが・・。

当時は、大型車の中古は、燃費が悪くて、安かったのです。
それに引き替え、ドイツのBMWとか、日本車のカローラに乗っている人達は、かっこよく見えました。

2016/07/07 20:54:48

暖かいコメント、ありがとうございます。

シシーマニアさん

師匠、コメントありがとうございました。

多分運転免許に関しては、ニューヨークやロサンジェルスなど、大都会では違うでしょうね。
只、アメリカでは、車を動かせなければ生活ができないという人が大半なので、試験は一応形だけ、という印象がありました。

「例えば、暗い、深刻なテーマを書く際にも……です。」
心に響きました。
応援のメッセージに聞こえました、自分勝手ですが・・。

でも、難しいですね。
そんなときこそ、ユーモアの出番なのに・・。

2016/07/07 20:51:28

運転免許

喜美さん

私は持たずじまいでした
主人の車がいつも置いてありましたから乗りたくて 其れなのに運送業していましたから もし事故したら
運転手さんに何言われるか解らないし
取らせないと頑固な人でした
その代り運転手付きで何処までもラクチンでした 娘は取りましたけれど
結婚するまでは運転せずでした
不思議 息子は運転しました
差別ですね

2016/07/07 16:50:24

運転免許

藤の花さん

自動車学校で始めて乗った車は「フォード」6気筒の大型車で、アクセル離しても「ギッタン、バッタン」としゃくりながら走って、エンストしませんでした。

2016/07/07 15:57:34

二千円で免許取得、立派なものです

パトラッシュさん

大らかですねえ、アメリカは。
そりゃ、交通事情、道路事情が違うこともありますけれど……
そして、国民性の違いも、あるかもしれません。
日本では、何でも入口を狭くする。
新規参入を難しくする。
それにより「お上」の権威を維持し、高めようとするかのように……
入学試験なんか、その好例です。

それにしても、楽しい文です。
「別れてやる」
「いや別れるにしても、まずは免許を取ってからにしよう」
この二つのフレーズが、よく効いています。
ユーモアのセンス、シシーマニアさんのそれは、天性のものです。
これを活かすことを、考えて下さい。
常に。
何処でも。
例えば、暗い、深刻なテーマを書く際にも……です。

2016/07/07 14:24:29

技術も、100分の1ですが・・。

シシーマニアさん

彩さん、コメントありがとう。

酷暑の時期は特に、彩さん様な朝型が良いですねえ・・。
一働きした後に、冷房の効いた部屋で冷たい飲み物を、なんて・・。

同じ頃に、免許を取ったのですか。でも、そちらは今も現役でしょ。やはり、試験は厳しい方が身につきますよね。

私の経験では、試験が簡単な上、免許取得以前の練習は公道オーケーなのに、試験は公道で走る訳でもありませんでした・・。高速なんて、運転できるわけがありません。

でも、因みにかかった費用は、二千円也、(10ドルだったと思う、当時1ドル200円くらいだったから・・)日本の百分の一位かな。。

2016/07/07 13:57:26

いや〜面白かった!

彩々さん

運転免許取得するにも、全部やり取りも問題用紙も
英語な訳ですから、それも大変だったでしょうが、
アメリカ生活もだいぶん、慣れた時だったのでしょうか?

私もシシーさんと同じころ、免許取ってますね。
そう、20万円位掛かったと思いますよ。
(忘れちゃいました)
アメリカの10倍位ですね。

お互いまだ若かかった頃ですね。
思い出せば、笑っちゃうこともあり…これも、
あれも、楽しかったですね。

2016/07/07 12:49:08

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