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「テンジョーイン、デ・ス・カ」 

2016年05月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:思い出すままに

先日のショッピングでは、「YACCO  MARICARD」というブランドのブラウスも購入した。

これは、昨年だったか、ウィンドー越しにきれいな色遣いの洋服が見えて、誘いこまれる様に入ったお店である。

中に入ると、見慣れた風合いの洋服が並んでいる。

私がまだ東京に住んでいた頃、20年近く前に購入した愛用のブラウスと、どうやら同じブランドらしい。

名前がフィンランド風に思えたので訊ねてみると、デザイナーである二人の日本女性の名前をもじったとか。やはり、同じような質問を、時折されると言っていた。

その時は何も購入しなかったのだが、帰宅して自分のブラウスのタグを確認してみたら、やはり同じレーベルであった。


これは、義姉の長男がハワイで結婚式を挙げるというので、親族が揃ってハワイへとおしよせたその準備に、遊び着として求めたものだ。

初めての南国だったし、ちょっとエキゾティックな装いに凝っていた頃だった。

その時はたまたま知人に、やはり甥御さんがハワイで結婚式を挙げたという人がいて、あちらではセレモニー用の民族服もたくさん売っているから、式で着用するドレスは、現地調達が良いのではと、助言してくれた。

主人も、暑い中で黒の礼服でもなかろう、と言うので、すっかりエキゾティックにはまってしまったのだった。


ハワイへは、式の前日に、私たちは東京から、義姉一家と義母が札幌から、義妹一家が愛知県からと、それぞれ集まってきた。

残念ながら、主人は前日急に仕事が入って参加できなくなったけれど、年齢の近い従兄妹たち七人は、全員集まることができた。


私は、現地に着くとすぐに、ホテルで大きなショッピングセンターへの行き方を訊いて、ドレスを買いに出かけた。

教えて貰った場所へと、地図を見ながら一人で歩いて行った気分は、着いた直後でもあったし、かなり高揚していたなあ。

暑い中を、一時間くらい歩いただろうか・・。

でも、4,5日滞在したハワイ旅行の中では、その時の情景が、ひときわ印象に残っている。

途中に、スタバのお店があったので、飲み物を調達。コップを片手に、大きな帽子をかぶって、ふら〜り、ふら〜り。

デパートに着くと、日系のおばさんの店員さんが対応してくれた。

後で考えると、日本語が通じたのかもしれないけれど、私が張り切って英語で尋ねたので、親切な英語で終始してくれた。

丁度セールのシーズンだったらしく、沢山ある中から、全体にモスグリーンのコットン生地で、いかにも南国風な植物の絵が大きくプリントされていて、裾と胸の周りがターコイスブルーのフリルでトリミングされた、素敵なロングドレスをゲット。

しかも、殆どTシャツ一枚位の値段だった。


でも、いざ結婚式となると、主人の家族は実にまっとうな一家なので、花婿の父である義兄は勿論黒の礼服だし、義姉も黒のドレスを着用。義母はレースのイブニングドレスだった。

値札は外してあるものの、何となく肩身の狭い気分を抱えた、長男の嫁、だったかな。

しかも、義姉たちが招待してくれたクルージングでは、まっとうな服装の一族に囲まれて、本来はアロハシャツでも着て夫婦でセットになる筈だった主人は欠席という、何とも中途半端な雰囲気の中、YACCO MARICARDのちょっと風変わりな上下と共に、一人で浮き上がっていたものだ。


幸い、勘の良い義姉は、私が旅先では一人で歩くのが好みだと知っていて、式の翌日には各々自由行動にしようと、提案してくれた。

私は、「地球の歩き方」というガイド本で、現地のバスの乗車券は一律に1ドル、という記事を目にしていたので、試しに島を一周する最長距離の、路線バスに乗ってみた。

一周だから、ほとんどのコースは海岸沿いで景色は素晴らしいし、学校帰りの高校生とか、買い物帰りのおばさんとかが、乗り降りする様子が眺められたのは、とてもとても、楽しい時間だった。

確か、起点のダウンタウンに戻るまで、3時間位かかったと思う。途中で、運転手の休憩時間があった位だから。


一行は、新婚の二人を除いて、4,5日の旅程だったけれど、当時息子は超がつくくらいに忙しい時期で、一泊しかできないといって、式の日の朝一人で到着した。

暇な私が空港まで出迎えに行くと、黒いスーツにリュックサックという姿でゲートから出てきた彼は、私を見るなり「テンジョーイン、って何かな?」と訊く。

「今、税関を通るときに、係の人に『テンジョーインデスカ』って、言われたんだけど・・。」

どうやら、余りにも軽装な息子を見て、ツァーの添乗員なのかと思われたらしい。


色々な思い出の残る、ハワイ旅行のきっかけを与えてくれた甥に「感謝!」である。



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西洋志向です

シシーマニアさん

私の理想の旅は、あたかも現地に住んでいるかの様に、色々体験をすることなのです。

多分、名所旧跡を見落としているのだろうと思いますが、電車に乗ったり、地元の人に道を訊ねられたり(答えられないので、申し訳ないのですが)現地の人で賑わっているレストランで食事したり、そんな些細なことに喜びを感じています。

2016/05/19 20:48:06

それなりに、楽しみました

シシーマニアさん

吾喰楽さん、こんばんは。

育った環境もあるのでしょうが、やたら西洋志向の強い性格です。
自分の文化をろくに知らない儘、あらぬ方を追い求めていた気もしますが、結構楽しかったです。
語学力があれば、もっと違った交流があっただろうと思いますが、無い物ねだりをしても仕方りませんし・・。
誤解が生んだ面白さも、多々ありました。

2016/05/19 20:40:29

ハワイもウィーンも

彩々さん

何処の国に降り立っても街の風景の一つのように
溶け込んでらっしゃるシシーさんが目に浮かびます。

身長もお高いし、考えてみたらアフロヘアーは万国共通(!?)
たたずんでいるだけで、現地で暮らす人だと思われるでしょう。

せっかくのハワイアンウィディングですのに、
せめて黒じゃなく、白のタキシードくらいにして
下さればいいのにねぇ。

今日の蒸し暑い夏日に、ハワイの風を感じさせてくれる
ブログでしたわ。

2016/05/19 17:08:25

ハワイ

吾喰楽さん

こんにちは。

ハワイへは、行ったことがありません。
アメリカは、サンフランシスコ(一応は仕事)とロサンゼルス(友人を訪問)だけです。
と云っても、他には、新婚旅行で行った香港とマカオだけですが。

シシーマニアさんは、色々、行かれているんですね。

2016/05/19 14:25:56

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