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時の人 

2016年04月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

乙武洋匡さんについて、瀬戸内寂聴さんが、新聞に書いておられた。
彼はかつて、対談のため、京都の寂庵を訪れたことがある。
寂聴さんは、その際の、様子を述べるに終始し、
この度の騒動についての、批判めいたことは、一切書かれなかった。

それもそのはず、彼女だって若い頃、夫と子供を捨て、
不倫相手の許へ奔った過去を持つ。
乙武君、よくやった……と言っても不思議はない。
しかし、今は衆生に道を説く身、表立って、不倫を賞賛するわけにも行くまい。
だから、一切言及しなかった。
と言う風に、私は理解した。

「乙武さん、小説家になると良い」
最後に、こう書かれてあった。
小説家なら、妄想を逞しくすることが出来る。
異性遍歴だって、褒められはしないまでも、世間からの、
消極的容認を、得られないでもない。
そういう職業は、他にもある。
役者、噺家など「芸の肥やし」と称し、“遊び”がむしろ、
奨励されたりする。
暗黙裡であろうけれど、配偶者もまた、これを容認したりする。

なまじ教育委員など、やったからいけない。
国会議員など、目指すからいけない。
その辺が甘かった。
二兎を追うからいけない。
道をどちらかに決めなさい。

とは、もちろん書かれていない。
私が勝手に、瀬戸内さんの胸中を、忖度しただけだ。
「小説家云々」は、素直に読めば、激励ととれる。
しかし、私はそこに、瀬戸内さんの乙武さんに対する、
いささかの皮肉を感じている。

 * * *

私が乙武氏に失望したのは、不倫が発覚したからではない。
「参院選に出る」
これを聞いた時だ。
しかし、意外ではあったが、これは分からないでもない。
著名人は、選挙の目玉として、政党から、秋波を送られやすいものだ。

「自民党から出馬」
これが残念であった。
私の思い込みかもしれない。
身体不自由なるは、弱き者というイメージがある。
その生活は、至るところにおいて、困難を伴うだろう。
社会の現状に、不満を抱くことも、しばしばあろう。

一方、自民党は保守政党だ。
改革や改善に、励むという印象はない。
どちらかと言うと、富者、強者の味方だ。
不遇の者に、積極的に手を差しのべるという印象がない。
乙武さんと自民党。
そのイメージが合わないどころか、むしろ、対極にあるような気がしていた。

ことが明るみに出てから、乙武さんの知られざる一面が、
次々明らかになった。
その一つが、人脈の豊かさだ。
その身体的ハンディから、私は乙武さんを、弱者と見ていた。
しかし、実際には、各界の著名人との交友があり、ある種の影響力をも持っている。

著名であることの強み、それを活かし、
政界に打って出よう……と考えたのは、むしろ彼自身だったようだ。
自民党から出馬、というところに、彼の権力志向というものが見て取れる。
これが仮に、共産党から出る、ということになると、受け止め方は大分違う。
その主義主張は別にして、少なくともそこには、
冷や飯を食ってでもという、覚悟が見える。

政治は感傷ではない。
政策実現のためには、力を持たねばならない。
力のあるところに集まらねばならない。
という考えも、よくわかる。
分かった上で言っている。
皆が皆、そうであったら、政治はどうなるか……ということを。

 * * *

瀬戸内さんは、昨年、その高齢にもめげず、
京都から国会前に駆け付けられ、
安保法制反対への抗議集会にも加わられた。
今の自民党、そして政府のやり方に、憤っておられる様子が、
その談話などで、しばしば伝わってくる。
言ってみれば、反権力の人だ。

乙武さんの自民党入りに、賛意など示せるわけがない。
その権力志向に、失望されたとしても、不思議ではない。
しかし、それを言っては身もふたもない。
水に落ちた犬を叩くな……ということもある。

それで遠まわしに言った。
人生の再構築を、暗に勧めた。
と言う風に、私は理解している。

たしかに権謀術数の渦巻く政界なんて、常人の棲むところではない。
小説家の方がいい。
断然いい。
彼が今後の人生を、どう歩むか。
私は、大いなる関心を持ち、眺めている。

そういうお前自身は、どうなのか……
と問われれば、途端に困る。
内心忸怩たるものがある。
私は、好奇心をもって、人を眺めるだけ。
えらそうに、理屈を言うだけ。
努力と言うものをしない
小説家にはなれないし、不倫なんて、夢のまた夢というよりない。



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水の泡

パトラッシュさん

プラチナさん、
自民党はそうですよね。
広告塔として、絶好だと思ったことでしょう。
こんな結果になり、一番がっかりしているかもしれません。

2016/04/16 12:27:45

今後が……

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん、
彼は頭のよい人です。
小説なら、そこそこ面白いものが、書けるのではないでしょうか。
今後、どういう道を歩まれるのか・・・・
気になります。

2016/04/16 12:25:37

乗せられた?

プラチナさん

パトさんの仰る通り、"自民は弱者への理解も有る党だ"と云うイメージを、乙武氏を推す事で看板にしたかったのかも知れませんね。ところが少し脇が甘かった…。

2016/04/16 10:51:33

野心家

さん

パトラッシュ師匠 おはようございます。

乙武氏には驚きました。
私は「五体不満足」を読んで、その前向きな考え方をする御家族全体に感動していたからです。

今回の自民党の議員としての出馬や、複数女性との不倫騒動、野心家で、遊びにも貪欲という、割り切った性格が垣間見えて失望しました。
不自由な体の夫を支えて来た妻の献身をどう考えているのだろう?
それでも、奥さんは夫を支えたようですね。
この件からだけでも、彼は自民向きかな?と思いました。

小説家はどうでしょう?
文は人なりです。
でも、インパクトのある話が書けそうですね。

2016/04/16 09:33:44

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