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常識を知らない、子供たち 

2016年02月17日 ナビトモブログ記事
テーマ:シニアライフ

シニアの生活は、年金で賄われているのが普通で、その支給日は偶数月の15日である。

その日は、イオンはセールするとか、ATMも混雑する等と、新聞の記事に出ていた。

我が家も、生活費は月半ばに引き下ろしてくるのだが、余り混雑には出会いたくないので、多少ずらす様にしている。


ところが、14日に久々の食糧調達で買い物に出かけて、なんと残金が15円となってしまったのだ。

「今日は、銀行に行かなきゃなあ。手元の残金が、15円になってしまったから・・」と、言うと、主人が

「15円で買えるものを、探そうか・・?」と答えた。

このジョークは、家族ならではのものだけれど・・。



娘が10歳、息子が9歳の時に、カナダの生活が終わって帰国した。

帰りは、東部のオタワから、まずカルガリーまで飛び、其処からレンタカーで数日間、カナディアン・ロッキーを巡ったのだった。

バンフは特に観光町として有名らしく、沢山のお土産屋さんが連なっていた。

大橋巨泉の「OKギフトショップ」があったのも、バンフだったと思う。


子供たちも、既に小学生になっていて、帰国すれば同じ学校に戻る筈だったので、数字は忘れたけれど、お土産用になにがしかのお小遣いを、二人に別途支給したのだった。

私は、たった二人の子供しか知らないけれど、個人差の違いをことあるごとに見せつけられたものだ。


息子は、「このお金は、日本に帰ったら日本のお金に両替してくれるよね?」と言って、全く購買欲を見せずに、大切にポケットにしまったのだった。


一方、娘は目を輝かせて、お店に入るなり、「このシールは、○○ちゃんが喜ぶかなあ・・」とか、「このキーホルダーは、お土産にしたいけれど、自分にも欲しいなあ」等と、まるで若い娘の様に買い物を楽しんでいたのだが・・。

そして、最後に残ったお財布の中の20セント(当時のレートだと40円位かな・・)を抱えて、それからバンフの商店街を、その範囲で買えそうなお土産を探す娘について、どれだけお店を巡ったことか・・。



翌日着いた、カナダ随一の観光名所、レークルイーズは、確かに素晴らしい景観だった。

でも、それはそこの真正面に、シャトー・レーク・ルイーズという高級ホテルを建てたのが、観光地として成立している所以だろう。


着いた時には、沢山の日本人観光客が佇んでいた。まあどこにでもある、光景である。

そこで主人が耳にしたのは、「いま来た人は、かわいそうにねえ。霧が立ち込める前は、あんなにきれいだったのに・・」という、一言だったらしい。

「今日は、ここに泊まろうか・・」という主人の提案を聞いて、何も知らない家族は大喜びだった。

ホテルでは最初、予約でいっぱいだと断わられていたらしいのだけど、ゆっくりと交渉した結果、湖が見られる角の素敵なお部屋が特別に空いていたそうだ。


夕食は、気取ったホテル内は避けて、近くのレストランへ歩いて行った。

お蔭で、散歩しながら見上げた空には、満月が輝いていて、忘れられない夜となった。


翌日は、晴れあがった湖畔をゆっくり歩いた。

若い日本人らしいカップルが、先になったり後になったりしながら歩いていて、そのうち夫人の方が娘に話かけてきた。

「日本から、来たの?」

「ううん、日本へ帰るの」


子供はただ単純に、言葉通りに受け取るものなのだ、となんだかおかしかったのを覚えている。



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やはり、いらっしゃいましたか。

シシーマニアさん

レーク・ルイーズの事を書きながら、喜美さんの事を何となく思い出していました。
素晴らしい、景観ですよね。

あの近辺には、湖がたくさんありましたね。
氷山が解けてきたその水の配分で、湖の色が七色に変化する、とかいう「ペイトー湖」が印象に残っています。
そばにいた日本観光客の添乗員さんが、「コンペイトー、と思えば、覚えやすいですよ」と言ったのが聞こえたおかげで、今も名前がすぐ出てきます。

2016/02/18 16:44:19

ユーモアは好きなのですが

シシーマニアさん

師匠のコメントはいつも温かいですね。

最後の二行には感激しました。

ブログは、なんの制約もなくて、私にはとても快適な場に思えます。しかも、ここでは、読んでくださった方がコメントまでしてくれるのですから・・。

只、師匠も相手によっては厳しい目でチェックなさるご様子。まだまだ、褒めて戴いている間は、師弟関係のステージが低いともいえますね。

2016/02/18 16:38:03

2円切手、という手がありました・・。

シシーマニアさん

吾喰楽さん、コメントありがとうございました。

国立劇場のロッカーは、10円ですか。さすが、公共施設ですね。
美術館などのロッカーによっては、まず100円入れて預け、取り出すときに100円硬貨が戻ってくるところもありますね。戻ってくると、印象がいいですね。

2016/02/18 10:58:34

行きました

喜美さん

其処の観光地の がやがやの中に私もいたかも知れないわ 娘さんと同じ
誰さんのお土産 誰さんに此れ
何しに来たの?観光2お土産8今考えたら馬鹿馬鹿しい でも目新しいもの見るとお友達が浮かんで来たの 其れで楽しかったのよ

2016/02/18 08:57:23

家族ならではジョーク

パトラッシュさん

とはご謙遜、シシーマニア家の皆さんのそれは、
世に出して、十分に、人の頬を緩ませるものです。
ユーモアとはつまり、その人間性の発露に他ならないことを、
改めて思わされます。
つまり、巧まざるところにこそ、真価があるのだと。

家族の歴史を顧みつつ、それが読者を楽しませる一文になっている。
こんなブログを、多く読みたいものです。

2016/02/18 07:35:02

15円

吾喰楽さん

こんばんは。

買うのとは違いますが、15日に10円使いました。
国立演芸場のロッカーが10円です。
国立劇場も同じです。

15円で2円切手が7枚買えます。
ひと月前に10枚買いました。
手持ちの80円切手に貼るのです。

2016/02/17 22:13:28

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