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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十七)嘘を吐くってのは、難しい。 

2015年10月23日 外部ブログ記事
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とりあえず無難に行こうと考えた。
吉田の言葉が頭に浮かんだ。

「嘘を吐くってのは、難しい。付き続けてはならんからなあ。
嘘を塗り固めるって言うだろ? あれ、ほんとだぜ。

実は、この大学に、彼女が二人居る。
どっちも甲乙付けがたい。
俺の本音を言えば、外見はA子で中身はB子。

これだったら、すぐにでも結婚する。
いつ他の奴に取られるとも限らんからな。
これは男のエゴだということは分かっている。

分かってるって、男の都合さ。
そんなに睨むなよ。世の中、なめてるよ。
いつかはバレるだろう。いや、もうバレてるかもな」

始めて見る、吉田のうつろな目だった。
そして、ぼくに吉田くんを非難することができるのか、とも思った。
一人の女性だけに愛を誓うということの難しさを、彼もまた感じていた。

「車中でもお話しましたが、交際中の女性が居ます。
もっとも、この先どうなるのか。
このまま、自然消滅ということになるかもしれません。そ

れはそれで止むを得ないことだ、と考えています。
でも、正直辛いです。
ですから、由香里ちゃんの笑顔に救われています。

それにご家族旅行に誘っていただいて、嬉しいです。
傷心旅行みたいなものですが、僕にとっては」

由香里が今日のことを母親に話した場合のことも考えて、傷心旅行という言葉を使った。
狡猾な自分に嫌気がさす思いもあったが、事実そうなのだ、と言い聞かせた。

「そう‥‥」
母親の声色には同情が感じられ、表情にも憐れみの色が見えた。
しかし目の中に安堵の色が見えた。
それが、何事も起きていないという安堵なのか、由香里の恋が成就することを願う思いなのか、彼にはその判別は出来なかった。

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