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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六)これから、レクチュアなの 

2015年09月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



蛍子に連れられたのは、本通りを一本入った路地裏にある小ぢんまりとした小料理屋だった。
暖簾をくぐると、「いらっしゃい、おけいちゃん。あらあら、今夜はハンサムな青年ね」と、女将らしい女性から声が掛かった。

「でしょ? 私の本命よ。ちょっと年の差が気になるけどね。座敷に上がるわね」
「はいはい、どうぞ。おけいちゃんらしくない、弱気な発言ですこと。日ごろの威勢の良さはどこにいったの?」
「これから、レクチュアなの」
「あらまあ、どんなレクチュアねかしらね」

意味ありげに笑いかけながら、女将が奥へと案内した。
二坪ほどと小さいながらも庭がしつらえてある。
その奥に常連のお客だけに使わせる部屋があった。
六畳の和室で、店の喧噪もここにはまるで届かない。
密談の場所に利用するにはもってこいだ。

「お酒と…。そうねえ、つまみは適当に見繕ってくれる。
えっ? お酒はだめなの。じゃ、ビールも持ってきてね」
「わかりました。じゃ、ごゆっくりどうぞ」

女将が障子を閉めると同時に螢子が、彼に向かって口を開いた。
切れ長の目の中に蔑みの色が宿っていた。
「可哀相に、あの二人。毒牙にかかってるでしょうね、今ごろは
。新入社員なのよ、さっきの二人。
あの娘たちも、私みたいにうまく逃げればいいのにさ。
馬鹿正直に連いて行くなんて。下心まるだしなのにさ」

突き放した言い方に驚きを隠せない彼は、「どうして、教えてあげないんですか?」と声を挙げた。
「教える? 冗談でしょ。そんなことしたら、しっぺ返しがあるわよ。
あることないこと上司に報告されて、あっという間にどこかに飛ばされちゃうわ。
ううん、解雇されるかも、ね。気が付かない方が悪いのよ。
もっとも、あの娘たちにしても、ねえ。案外、計算ずくかもね。
半年で彼氏を作り、一年以内にゴールイン! というのが、若い娘たちの方程式らしいから」

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