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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六) 

2015年08月31日 外部ブログ記事
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「あのお、こちらに…あっ、いた、いたあ!」
息せき切って、青年が飛び込んできた。
そして酔いつぶれた女を見つけると、満面に笑みを浮かべて、肩を揺すった。

「まあまあ。ほらっ、水でも飲んで。落ち着きなさい」
「店に迎えに行きましたらこちらだろうと言われたもですから。
どうも、ご迷惑をおかけしまして、すみません。
サチ子、連れて帰ります。帰るよ、起きてよ」
差し出された水を一気に飲み干すと、また女を揺すった。
しかし女は、うるさげに手を払いのけ、目覚める気配はまるでなかった。

「暫く、寝かせておきなさい。
どう、あんたも一杯? ご馳走するよ。
あんただね、悟くんは。話は、聞いてるよ。
いつもね、自慢げに話してる、今夜はこのお客さんにだったよ」
「えっ! そうなんですか。申し訳ありません、ご迷惑をおかけしました」
「いえいえ、そんな迷惑だなんて。いい話を聞かせてもらいました」

「悟くん。この子の親代わりとして、君の本音を聞いておきたいんだが。
いや遊びとして付き合っているなら、それも良しです。
とやかく言うつもりはありません。
でも、結婚云々をエサにしてのことだったら、それは止めてほしい。
正直、こんなに酔いつぶれてるのを見るのは、辛いんです。
悟くんは、公務員に内定したとか、しかもキャリア候補さんと聞いてる。ねえ、そんな君が…」

それまでの柔和なbar−止まり木のマスターの目ではなく、娘親の目に変わっていた。
愛しい娘が不幸になることだけは、何とかして防いでやりたいと真摯な思いがにじみ出ている目に変わっていた。

「いえ、それは違います。サチ子がどう言ってるかは知りませんが、僕は本気です。
来年卒業です、だから出来れば年内に、遅くとも三月には入籍したいんです。
式は無理です、親が反対してますから。
サチ子には悪いんですが、何年か後に、式を挙げます。旅行にも連れて行ってやります。
何年か後と言いましたが、おそらくは三年後だろうと思います。
主査あたりにはなっていたいんです。親を納得させる実績が欲しいですから」

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