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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六)お父さーん、聞いてよお 

2015年08月28日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



カウンターを片付けながら、マスターが声をかけてきた。

「駆け引きを楽しんでみえるんですよ、遊びの上手な方でしてね。
ホステスを落とすのなんか、お手の物です。
今は、『若いホステスをからかうことが楽しいんだよ』とか
『一人前の、本物のホステスは居なくなった』なんて、おっしゃってますがね」

「そうなんですか。一人前のホステスさんて、どんなでしょうね」
「男を騙せて一人前だ、なんて言いますがね。
でも、そんなホステスの末路は悲惨ですよ。
騙し騙され、ですからね。
そりゃ、神経使いますしね。最後は人間不信になっちまいます」

「おやおや、熟睡してるな。まったく仕様がない奴だ。
お客さん、ほんとにすみませんでしたね。
お代は結構ですから、ゆっくり飲んでってください」

「こっちこそ申し訳ないです。
一人で来たんですが、退屈せずにすみました。踊り子さんですか?」
「ええ。ショーガール、といったところですかね。
ダンスはそこそこいけるんですが、この性格がねえ。
まあ確かに、人気はそこそこあるらしいんですが、客とのトラブルが絶えないらしくて。
でも、ここしばらくは、顔を見せなかったんですよ。
噂では、いい男性を見つけたとか、聞いてたんですがね」

ひと月ほど前のことだ。
いつもならば半ば泥酔状態で、それでも明るく大きな声で「お父さーん、聞いてよお」と入ってくる女だった。
それがその日に限って、仏頂面を見せながらそのくせ笑いをかみ殺しているような、顔を少し歪ませながら入ってきた。

千鳥足ではあるけれども、壁にぶつかりながらではあるけれども、それでもその場に座り込むようなこともなく、マスターの前に座り込んだ。

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