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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六) 若い女 

2015年08月13日 外部ブログ記事
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「ハアーイ! 来ましたよ〜ん、今夜もお」
相当酔いの回っていそうな、若い女が入ってきた。
毛皮のコートを脱ぐと、ティーシャツにジーパン姿だった。
何とも奇妙な取り合わせの服装に、彼は驚きの目を向けた。

「なあに、お兄さん。あたいのこと、変な奴! って、思ったでしょう」
彼の横に陣取ると、彼の肩に手を回して酒臭い息を吐きかけた。
無視しようかとも思ったが、変に絡まれても困ると思い「ごめんなさい」と、謝った。

彼が素直に謝罪の声を発したことに驚いた女は、「お義父さーん、驚きよお」と、バーテンを呼んだ。
「バカ女が!」と、窘めるバーテンに
「初めてだよ、あたいに謝った男って。へっへっへ」と、半ば自嘲気味に言った。

「ねえ、ねえ。あんた、あたいと会うのって、初めてだよね? 
こんなあたいに謝るなんて、さあ。あたいのこと、知らないんだあ。
だから、だねえ」
と、マジマジと彼を見つめた。

今夜は、よくよく酔っ払いに絡まれる日だと、うんざりした。
安物の香水がきつい女だった。
目はクリクリと大きいが、やゝ座っている。
長い付けまつ毛をしていて、瞬きするのも億劫そうだ。
メリハリの利いた化粧で、どこかのホステスにも見える。

「いい加減にしろよ! 出入り禁止だ、と言ったろうが」
バーテンが、奥から声をかける。
「よう、ユミ! 今夜も、ご機嫌だなあ。どうだい、又ストリップでもやるか?」
「今夜の首尾は、どうだったん? カモを引っ掛けたか?」
「ユミなら、ただ乗りされてるだろうさ」

“ユミだって?”
思いもよらぬ名前だった。まじまじと見遣るが、彼の知るユミとは似ても似つかない。

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