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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十五)貴子の顔が一瞬翳った 

2015年07月27日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



相変わらず、一人で話し続ける貴子だった。
彼に口を挟ませる余裕を与えない貴子が、眩しく見える彼だった。
ブラウスの上にカーディガンを羽織っただけの貴子は、少し震え気味だった。

「寒いんじゃない? 貸すよ、これ」
ファスナーを下ろしかけた彼に、
「良いわよ。相変わらず、優しいのね。ここ、ここに入りましょ」
と、彼の腕を引っ張るようにして、喫茶店に入った。

「こんにちわ!」
「おお、貴子ちゃん。いらっしゃい! 今日は彼氏同伴かい?」
「うふふ、だと良いんだけどさ。昔の同僚なの。モーションをかけてるんだけど、中々‥‥」

「お兄さん。貴子ちゃんのような良い子は、そんじょそこらに居ないよ。
もう少し俺が若けりゃ、すぐにも口説くけれどね。コーヒーで、いいかい?」
「ありがとう、おじさん。でも、妻子のある人とは、ねえ」

丁々発止の受け答えに、圧倒され続ける彼だった。
“やっぱり、デマだったんだ。
でなければ、こんな会話はできるわけがない”

「実はね、貴子さん。とんでもない噂を耳にしたんだ。
でまかせだとは思ったんだけど、どうしても気になって。
デパートを辞めたのも、その噂のせいだって、聞かされたものだか。」
笑い飛ばしてくれるものと決めつけていた彼に、貴子の顔が一瞬翳った。

「そう。やっぱり、そのことね。ごめんなさい、隠すつもりはなかったのよ。
噂は、一部本当のことなの。
確かに、上司と不倫の関係に入ったのは事実なの。
お話ししたと思うけど、入社してすぐにお付き合いした男性がいたの。
でも、その男性には長年お付き合いしていた女性が居てね。
妊娠中だったのよ、その方。結局、私の体が目当てだったのね。
でも、どうしても私、結婚前のそれは嫌だったの。
古風かもしれないけど、譲れないものだったの。
ひどく落ち込んだわ。正直、自殺まで考えもしたわ」

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