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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十四)真っ当な道に、戻してあげたのよ。 

2015年07月17日 外部ブログ記事
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彼にも、やっと合点がいった。
何故今頃になって、麗子が彼に連絡をしてきたのか、が。
“そうか、慰めだったんだ。
それにしても、あの貴子さんが。
あの清楚な貴子さんが信じられない‥”

打ちひしがれている彼の手を、麗子は優しく握った。
“取り戻したわ、彼を。
いえ、彼に真実を告げたのよ。
真っ当な道に、戻してあげたのよ。
でも、牧子さんって?”

彼に対する思いを、麗子は分かってはいなかった。
否、分かってはいるのだが、認めたくなかった。
格下の彼を好きになることは、麗子のプライドとして許せないないことだった。

麗子の前では、誰もがひれ伏してくる。
親の地位に対する畏敬の念、そしてまた麗子の美貌に対する羨望。
それらが相まって、誰もが麗子に対し、慇懃な態度で接してきた。

婚約者ですら、当初は麗子に対してそうだった。
しかし婚約が整ってからの態度は、一変した。
研究事項が脚光を浴び始めた事と相まって、関白ぶりを発揮し始めたのだ。

麗子の父親が婚約者を持てはやし始めたことから、麗子も認めざるを得なくなった。
そんな屈辱感の最中彼に出会った麗子は、ペットの如くに彼を感じ取った。

それ迄の取り巻きとは違い、麗子自身に畏敬の念を表す彼に、十分な満足感を抱いた。
どんな無理難題にも、真摯な態度で応えようとする彼に、麗子は征服感を抱いた。

しかし彼との別れの後、満たされぬ思いに囚われる麗子だった。
その都度、彼からの手紙を読み直しては、何とか平静さを取り戻す日々を送った。
そして今日、彼を目の当たりにして、彼の存在がどれ程のものだったかを知らされた。

貴子という、麗子にしてみればふしだらな女に惑わされている彼を救い出す筈だった。
しかし彼の口から出た、牧子という女性。ふつふつと、怒りの念が湧いてきた。

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