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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) 臨時 

2015年06月12日 外部ブログ記事
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消沈している彼に、塾のオーナーから連絡が入った。
「どうだろう、少しの間、塾に来てくれないかねえ。
講師が一人、入院しちゃってね。なに、二三週間だと聞いてるんだが。
その間、子供たちの面倒を見てくれませんか。なに、小学生です」
「喜んで、お手伝いさせていただきます。」
「そう、そりゃ良かった。じゃ、今夜からでも頼めるかな?」

耀子のことで思い悩む彼は、一も二もなく承諾した。
一人のアパートでは苦しかった。どうしても、自分を責めてしまう。
「代役なんだから、止められなかった」と、吉田の言葉が慰めてはくれるのだが、中々に自責の念は消えなかった。
“母さんのことで苛ついてたんだ。でも、話を聞くだけでも、できたんじゃないか”

「みなさん、こんばんわ。堀井先生のお休みの間、臨時でこのミタライ先生にお願いしました。
みなさんの、お兄さんです。いいですかあ?」
塾のオーナーの紹介で、いよいよ教壇に立つことになった。
「こんばんわ。みたらいたけしと、言います。少しの間、仲良くしてください」
「こんばんわあ!」
一斉に、子供たちから歓声にも近い声が上がった。

「おゝ、いいお返事ですねえ。ありがとう。えゝ、先生は、大学生です。
だから、みんなと同じように、お昼は勉強しています」
「えゝ、先生も生徒なの? へんなのお」
「へんじゃないよ。永田先生だって、去年までは大学の生徒だったんだから」
「そうだ、そうだ」

一人の子が漏らした言葉に対して、一斉に反論が始まった。
オーナーに聞かされていた「一人、浮いてしまっている子がいます。気をつけてやってください」という子かと、目をやった。
クリクリとしたよく目玉の動く子で、愛らしい顔つきをしていた。
男の子に人気がありそうな気がしたが、そのせいもあって女子児童たちの反発を買っているのかもしれない。
そのために男の児童もからかい気味の言葉をかけそうな気がした。
昔の己を見たような気がした。

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