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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十三) 話せ、話しちまえ。 

2015年06月10日 外部ブログ記事
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「ハハハ、そいつはいいや」
「まあね、ああいう人だから」
「ところで、武士くん。この名前は、誰が付けたんだい?」
「親父らしい。『侍のように強い男たれ!』ということらしいんだ。でも、意に反して虚弱でね。体もだけど、心が特に弱かった」
「まあ、優しさは弱さに繋がりやすいからな」

「親父が早死にしたもんだから、母の実家に戻って。祖父と同居したんだけど、この祖父が明治生まれの偏屈者でね」
「明治かあ、確かに! 俺ん家のじいちゃんも、そうだよ。何かというと、『日本男児たるもの、云々』だもんな。親父も辟易してる。然もだ、俺の目の前で親父を叱責するんだ。親父も立つ瀬がないと思うぜ」

「僕は、どうしてか分かんないけど、よく叱られた。学校でさ、いろいろ意地悪されて、泣いて帰るだろ? そうすると、『やり返してこい!』だよ。おふくろがいつも、かばってくれたけど」

「しかし、のぶこ女史までもがなあ。同情して、自らも悲嘆に暮れて、一緒に逝っちまったんだなあ。いい女だったよ、のぶこ女史は。なあ、そうは思わないか? 白状するとな、俺の本命だったんだ。しかし、告白のこの字も言えないまま、だあ。くそお! よし、今夜は飲み明かそうゃ、語り明かそうゃ」
「そうだ、そうだ! 語り合わなきゃ、真実を吐露しなくちゃ。僕に、僕に、責任があるのかもしれ」
突然、大粒の涙を流した。

「どうした? そんなに、哀しいのか。そんなに、好きだったのか。飲め、飲もう、そして酔いつぶれようゃ」
コップを持ち上げ乾杯を要求する吉田に、顔を歪めた彼が言った。
「自殺する前に、耀子さんに会ってるんだ、僕。それで、それで‥‥。非道いことを言ってしまったんだ」

予期せぬ彼の言葉に、危うくコップを落としかけた吉田だった。
「ど、どういうことだ、それは」
「うん。実は、、」

ためらう彼に、吉田は
「話せ、話せ。全部、話しちまえ。吐き出しちまえ」と、彼を促した。
「分かった、話すよ。ちょっと、顔を洗わせてくれ」

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