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グァルネリで、シャコンヌを! 

2015年04月29日 ナビトモブログ記事
テーマ:シニアライフ

最近、ピアノデュオで一緒に演奏をしている友人の、伊豆の別荘へ泊まりに行った。

独身時代は、お互いに泊まったりはよくあったけれど、結婚後は勿論初めてである。

今回は、旦那様が海外出張でお留守だからと、ヴァイオリンの旧友と三人での、女子会を企画してくれた。


昨年購入したというその別荘は、40畳という広さのリビングが南側に向かって全面ガラス張りで、その先には太平洋が広がっているという、素晴らしいロケーションだった。

昔から、お料理上手だった友人が準備してくれていたお料理に、私が行くというので用意してくれていた赤と白のワイン達。


もう、おぼろげに覚えているのは、夜中の3時ころになって、コペンハーゲンに居る旦那様にスカイプして、「そろそろ寝た方がいいよ・・」と言われた事位かな。

ヴァイオリンの友達は、ウィーン留学中こそ、毎晩のように一緒にワインを呑んだ相手なのだが、帰国して会うのは殆ど初めて。

でも、この三日間は、お互いの頭の中はもう、すっかり20代の頃のウィーン。

何かのきっかけで、不思議な様に思い出が湧き出てくる。

名前が出てこない時には、ヴァイオリンの友人が旦那様に電話をかけて訊いてみたり・・。

二人の旦那様たちも、当時のウィーン仲間の音楽家達なのだ。


でも、翌朝は6時ころに目を覚まして、明るい日差しの中で海を眺めながら朝食をとる。

ヴァイオリンの友人は、蓼科の別荘で畑を作り、今は野菜のソムリエなのだそうだ。

その彼女が「師匠」と呼ぶ、ピアノの友人の、健康に関する情報と、美味しいものに関する情報は、驚異的である。

食事の度に私が思い、口にするのは「ああ、なんて私は雑な生活をしてるんだろう・・」


そして、最高の悦びが、友人のヴァイオリンを聴いた事。

彼女は、東京での本番が終わって車で直行したから、楽器持参であった。

二日目に散歩から戻ってきて、「音、出していい?」と言って、別室で練習し始めたのだ。

その音が聞こえてきたら、私はじっとしていられなくなって、その部屋に入って行った。


何という、素晴らしい音色だろう。

普段の私の生活には、ピアノ以外の音は余り縁がない。

それもあるけれど、狭い部屋の中が彼女の太い艶やかな音色で、何とも言えない豊穣な空気に包まれた感じであった。



「凄い、音色だね。楽器も、相当いいんじゃない?」と訊くと、「うん、まあね」と言う。

「何か、聴かせて・・」というと、その音色が、バッハのシャコンヌになった。

実に、至福の時であった。


「相当古い楽器なんでしょう・・」と、こだわり続けた私が訊くと「1600年(細かい数字は、私が失念)のグァルネリ」と凄い事をいう、

グァルネリというヴァイオリン製作者は、ストラディバリに比べれば日本での知名度は高くないけれど、好みによって音色は双璧である。

私の好きな若いヴァイオリニストの樫本大進の楽器も、グァルネリである。


前日の夜に、「チャイコフスキーのピアノトリオ、一緒にやらない?」と、ワインを飲みながら誘いかけていて、「いいよ、チェロは多分◯◯さんに頼めばやってくれると思う」という話になっていたのだ・・。



何て、素晴らしい成り行きになったのだろう。

夢は、追い続けるものだ、というのが、思い通りの別荘が手に入った友人の意見でもあった。


素晴しい、女子会であった。



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私も、夢うつつです

シシーマニアさん

喜美さん、おはようございます。

友人とはいえ、私とも世界が違います。暫しの、夢の世界でした。
社会復帰ができるかしら・・。
もっとも私は、既に社会から隠遁していますので、心配は無用ですね。

2015/04/30 09:52:50

驚き

喜美さん

私と世界が違います
唯呆然としてしまいました

2015/04/30 06:24:00

素晴しい時間でした。

シシーマニアさん

吾喰楽さん、こんにちは。

ヴァイオリンやチェロは17世紀の制作者、ストラディバリとグァルネリの作った楽器を、未だに越えられないと言われています。
勿論数に限りがあるので、価格も大変なものであろうと思います。借金して買った、と言ってました。
友人が弾いてくれた、バッハが作曲した「シャコンヌ」はヴァイオリン曲では最高峰の名作です。

2015/04/29 17:10:06

歴史的な銘器なのです

シシーマニアさん

彩々さん、こんにちは。

そうなのです。友人ながら、実にゴージャスで、ちょっとした驚きでした。別荘もさることながら、グァルネリには卒倒しそうなくらい。私の耳も捨てたもんじゃない、なんて思うのが精一杯でした。
演奏会のステージならともかく、そんな銘器で弾くのを、目の前で聴くなんて初体験でした。

2015/04/29 17:03:52

私も

吾喰楽さん

こんにちは。

タイトルを拝見しても、チンプンカンプン。

私も、(◎_◎)←こんな顔して、読ませて頂きました。
勿論、素晴らしい時を過ごされたことは、ひしひしと伝わって来ました。

2015/04/29 15:40:07

女子会と言っても

彩々さん

こんにちは。
音楽家仲間とはいえ、あまりにゴージャスな
女子会でしょう!

(◎_◎)←こんな顔して、読ませていただく

のみです(笑)

2015/04/29 15:23:48

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