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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十一) 来ちゃった、、、 

2015年04月16日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



アパートに立ち戻った彼は、どっと疲れを感じた。
緊張の糸が切れ、虚脱感に襲われていた。

「コン、コン」
突然、ドアをノックする音が聞こえた。思わず時計を見ると、十時近かった。
?誰だ、今頃?
訝しく思いつつも、「ハイ、どなたですか?」と、その場から声を上げた。
「ワタシです、真理子です」
消え入るような声が返ってきた。
彼は、耳を疑った。慌ててドアを開けると、確かに真理子が立っていた。
「来ちゃった、、、」

「来ちゃった。ごめんね、こんな時間に」
エナメル質のスポーツバッグを手にして、真理子が立っていた。
「驚いたよ、突然で。連絡をくれたら、迎えに行ったのに。とに角、入って」
「ごめんね、突然で。ビックリさせようと思って。夕方に来たんだけど、留守だったから」

少し涙声の真理子だった。
彼に背中を押されながら部屋に上がり込んだ真理子は、ヘタヘタと上がり口に座り込んだ。
「ごめん、ごめん。家庭教師のバイトだったんだよ。
ついさっき、帰ったんだ。さあさあ、ここじゃだめだよ」
スポーツバッグを手に取り、真理子を手招きした。
しかし疲れ切っているのか、真理子はその場から立ち上がろうとはしなかった。

スポーツバッグを部屋の隅に置くと、すぐに真理子の元に戻った。
「大丈夫かい? 顔色が少し悪いなあ。立てない位、疲れてるの?」
「逢いたかった。すっごく、逢いたかった」
真理子は座ったまま、彼の手にしがみついてきた。
その余りの力に、彼はバランスを崩し、危うく倒れそうになった。
片手を床に着き、何とか堪えた。

「ごめんね、ごめんね。迷惑だとは思ったんだけど、どうしても逢いたくて」
堰を切ったように、真理子は泣き出した。
突然のことに、彼は言葉が出なかった。
真理子の脇に手を通して、何とか真理子を立ち上がらせた。

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