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鳶尾山から八菅山を歩く(1/2) 

2014年03月26日 ナビトモブログ記事
テーマ:自然探訪

 3月16日、天気が良さそうだったので、鳶尾山から八菅山を歩いてみることにした。鳶尾山は一等三角点がある山だが標高は234.1m、南西側の麓は厚木市郊外の住宅団地、北東側は山麓を相模川の支流、中津川が流れ、その低地を隔てて愛川町の中心部の台地が広がる典型的な里山である。居住している相模原南区からは距離的には最も近い山の一つであるが、一旦電車で厚木市まで行って、バスに乗らないと行けない山で、低山ということもあってわざわざ行こうと思わなかった山だった。そろそろ落葉樹も芽吹きが始まり、草花も少しずつ咲き始める季節を迎えたので、そんな自然の草木との出会いも期待した。
 町田駅に自転車で出て、小田急線で本厚木駅に向かう。急行電車はかなり混んでいた。9時40分、鳶尾団地行きのバスに乗る。最初は満席に近い乗客が居たが、10時3分、終点の鳶尾団地折り返し所に降りたのは自分一人だった。
 広い通りを北西に数十m歩くと、前方右手の尾根の先端に一直線に上る階段の水色に塗られた手摺が見える。階段の登り口は展覧台公園と表示されていて、小さな花壇があった。階段は標高差30mほど。結構長いコンクリート階段で、途中の踊り場の間を往復して足腰の鍛錬をしている初老の男性が居た。階段を登り切ると鳥居があり、その先は普通の山の尾根道になる。登り口の天覧台公園は狭い公園だったので上に何かあるのかと思いきや、広場も何も無かった。階段までを公園と称するのかも知れない。30mというと9階建てのビルのに屋上出た位の感覚なので、鳥居の下からの眺めが良い。バスの終点付近は中層の住宅ビルが建ち並んでいたが、天覧山公園付近は2階建ての家ばかり、そのカラフルな屋根越しに、葉を落とし褐色の枝だけになっている樹林に杉などの針葉樹の暗緑色が入り混じる低い尾根が幾重にも重なり、奥には一際高く、残雪の多い大山(1252m)が聳えている。
 登山路の脇にはカエデやサクラの苗木が点々と植樹されていた。かなり斜度がきつい箇所もある。途中、樹間から低地にぎっしり立ち並ぶ家々と、丘陵状の森の先に、いくつかのゴルフ場の黄色い芝地を麓に持つ、経ヶ岳(603m)から高取山(522m)が眺められる場所があったが、全体的には展望は無い尾根道である。樹相は始めクヌギなどの落葉樹が多かったが、途中常緑の低木(イヌツゲ?)や笹で緑の多い場所もあり、変化がある。
 10時24分、歩き始めて20分余、指導標のある十字路に出た。正面は鳥居と石段。指導標は、巻き道を指していて、展覧台公園からは650mであった。石段を登り、神社に寄り道する。鳥居の先には社殿らしい建物はなく、茶色く錆びた波トタンの小屋があった。軒先に掠れ掛けた看板が掛かっていて、鳶尾山金比羅社の由緒書きがあったが全文は読み取れなかった。ネットの記事によると、昭和30年代に浮浪者の失火で全焼してしまったらしい。
 金比羅社を出ると直ぐに標高213mのピークで、螺旋階段の付いた高い展望塔がある。また「征清軍人陣亡之碑」と彫られた石柱があり、金色の小さい観音像が置かれていた。展望塔は周囲の木立の梢と同じ位の高さなので、上ると展望が見事である。望遠レンズでズームした写真には、前記の高取山の山麓のゴルフコースのクラブハウスと駐車場に一杯の車も見える。そして空との境には、残雪の目立つ丹沢山(1567m)、丹沢山塊の主峰蛭ガ岳(1673m)が写っていた。大山は梢が少し邪魔していたが葉が落ちているので、視界としては大丈夫である。頂上の電波塔群もはっきり分かる。南の平野部は逆光で霞んでいて高いビルのシルエットは見えるが海との境界は分からない。東は南よりは視界が良いが、少々霞みが掛かり愛川町南部の工業団地は鮮明に見えるものの、横浜や東京の高層ビル群の識別は出来なかった。空気が澄んでいれば、スカイツリーも見分けられただろう。北は鳶尾山が間近で、山頂付近は一旦伐採して植樹したのか黄色のカヤトの中に樹木が並んでいるように見える。
 展望塔を降りて、ベンチでサーモスに入れた持参したお茶を飲み一休みする。その間に鳶尾山の方から単独行の男性が二人、登山口からは老夫妻が1組登って来た。20分ほど213mピークで過ごして、鳶尾山に向け再出発した。少し行くとかなり急な階段の下り坂になり、階段が終わると尾根から折り返し山腹を巻いて下る。その辺からヤシャブシの木が多くあった。昨年の実を残したまま、短い花穂が垂れていた。
 坂を下り切ると、ちょっとした平地になったいる。展望台のピークからは50m近く下っていた。地図は峠道とクロスしているが、余り歩かれてはいないようだ。東側に少し下がった場所には端にネットが張られた人工的な平地があるが、耕地の跡か建物があったのかは分からない。カヤトに様変わりし、潅木が生えている。平地を過ぎると、またやや急な登りになり、途中、左の山腹に分岐があったが、指導標はないので尾根の方の道を上る。登り切るとほとんど平地のないピークで、展望台から600m、鳶尾山に400mの指導標があった。結局すぐ下りになり、少し下ると左から鉄パイプの欄干の付いた道が合流している。小ピークの巻き道だったようだ。
 道端には桜が植えられていた。赤い実をつけた木もあるように見えたが、ズームして写真で見ると実ではなく、緋寒桜の蕾だった。一旦下って高度差50mほどを登ると標高234.1mの一等三角点のある鳶尾山である。11時10分の到着だった。かなりの年季の桜の木が沢山植えられている。「桜の名所つくり事業 鳶尾山頂 愛川町」の石碑も建てられている。もう一つさらに大きな石碑があったが、歌碑の様子だった。展望は桜の木の間からだが綺麗だった。桜が咲く時期には誰も居なかった山頂もハイカーで埋まるのだろう。
 長い時間は滞在せず、尾根を北西に向かう。この稜線の道は道幅も広く急坂も無い。10分程で、舗装道路が越える峠に着いた。左に下ると、厚木市のまつかげ台団地に出る。右は、愛川町の八菅山いこいの森に通じる。現地でフリガナを見て分かったが、八菅山は“はすげやま”と読むようだ。正面の尾根には踏み跡はあるが、「この先、行き止まりハイキングコースはありません」の看板があった。グーグルマップの航空写真を見ると、厚木市と愛川町の境界の尾根は、数百メートル先で、砕石なのか廃棄物処分場なのか分からないが切り取られ、逆に深く掘り込まれているようだった。更にその先は中津川カントリークラブのゴルフコースの中に繋がっている。低山なので人の手で地形が改変されているようだ。
 峠の舗装路を右に下る。やや狭いが車道として作られた道で急傾斜はない林道である。谷側にガードレールは無く、代わりに鉄パイプの柵が続いている。北東に伸びる尾根を大きく回り込んで高度を下げる。深い沢筋を折り返すところは標高140m位だが北東面のため道脇に少量の残雪があった。峠から13分、谷間を通る八菅神社の登り口にある八菅橋から八菅山いこいの森に通じる林道との三叉路に着いた。正面の尾根にも八菅山の稜線に通じる階段道があったが、交差点の案内版を見ると、上流側は「みずとみどりの青空博物館入口」と書かれていて、開場午前9時、閉場夏期午後5時、冬期午後4時30分となっている。立ち寄ってみることにした。
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写真は「天覧台公園の階段上から見た大山」と「鳶尾山頂の石碑」



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